先週政府より、10月12日よりキューバの新たなコロナに対する取り組みが始まることが発表された。ほぼ全土で感染拡大の傾向が収束に向かっており、すでに7ヶ月に渡って停滞している経済活動を再開して国の現状を打開するために、コロナや感染症と共存する「新たな日常の生活様式」を提唱してポストコロナへ移行する、ということらしい。
ハバナはいきなり回復期の規制緩和フェーズ3へ。10月3日に明確な表現はなかったもののほぼフェーズ1(この時どの段階にあるかは明言されなかった)となり、2週間もたたないのに一気にフェーズ3へ飛んだ。
フェーズ3:サービス、生産活動のほぼ正常化、感染リスクを最大限考慮し、感染減少のために各予防対策を守って行動する。
細かい政策はおいといて、大雑把にいうとこれだけ。公共機関や各経済活動が再開されるが学校は先日の発表通り11月2日からで、ハバナ国際空港の閉鎖は継続。
ということは結局、6月に出された段階的緩和のクソ細かい対策はほぼ意味なし?!確か当初の予定だとフェーズ2で学校が始まって地方間の移動が可能になり、フェーズ3では空港も開いて外国人観光客の受け入れが始まるはずじゃあなかった?移行の基準である人口当たりの感染者指数がここ10日間の数値が劇的に向上した訳でもないのに、「飛び級」したのは何故??
まあ、いい。何はともあれ大前進!!
そのほか8月以降に感染が拡大したサンクティ・スピリトゥス州とシエゴ・デ・アビラ州は限定的な感染期のまま、上記の3州以外は回復期フェーズ3を経て「新たな生活様式」を採用する段階へ。
新しい日常の生活様式:サービス、生産活動の回復と安定。感染病監視を強化し、衛生対策の遵守と制御するとともに、新しい生活様式の採用により各自の責任で健康状態の維持につとめる。
具体的に挙げられた内容のいくつかを挙げると・・・
- 感染病を受け入れた上で新しい生活様式を模索しながら正常化を目指す。
- マスクは密閉した空間、学校、職場、医療保健関連施設、宗教行事、食料品生産工場などで着用義務を継続する。ただしこれらの場所で人が密集しないようであれば状況に応じて柔軟に対応することができる。
- ソーシャルディスタンスを保つ。
- Covid-19の症状、他の感染病の症状のある者が学校や職場へ入ることを厳しく制限する。それらの症状のある者は速やかに保健機関へ向かうこと。
- 職場や公共交通機関などでの手や接触面の消毒は、義務とする。
- 常時、対面で仕事をし感染の危険にさらされている労働者、特に医療関係従事者に対する保護対策を保証する。
- 政府の臨時委員会による毎日のミーティングはなくす。本件に関する地域ごとの分析と指数のチェックは継続し週に2回の会議を実施する。
- 毎日開催していた保健省のCovid-19感染状況に関する記者会見は、以後週1回金曜日に実施する。
要するに感染予防対策として国が国民に対して強要することは少なくなるが、その代わりに各自が自己責任で感染しないように努めて新たな生活様式を身につけましょう。ということか。
何れにしてもやはりコロナ以前の活気や人々の動きが戻るには、海外からの観光客受け入れが再開されないと難しそうだ。多くの個人経営者が従事するカサパルティクラル経営や土産物屋、個人経営のレストラン、タクシー、旅行代理店、こういったところの活動が始まらないとどうにも経済回復にはつながらない。数字だけじゃなくてキューバがどれだけ観光業に依存しているのか、改めて実感。