ハバナに日本のバスがやってきた!

ハバナで市民の主な移動手段は、キューバでGuaguaグアグアと呼ばれるバスだ。だがキューバのバス移動はいろんな意味でカオス。常に需要に供給が追いつかず本数も限られているのでバス停で長時間待ちは必須、故障で立ち往生することもしばしばあり、時間に余裕を持って出かけても遅刻することは日常茶飯事・・・でも他に移動手段がないから仕方がない。コロナ感染予防対策による規制があった間はバスの利用者も少なく比較的空いていたのだが、最近は夜間の外出規制もなくなり、日々の通勤通学も以前と同じように行われるようになって公共交通が正常化すると、ハバナ市内を走るバスの混雑も戻ってきた。ピーク時にはたくさんの人がバス停にあふれ、バスの人数制限も緩くなったので車内はかなりの「密」状態。ただ今も感染を避けて外出を控える人が多く、運転手もある程度は乗車制限をしているのか、コロナ前のように異常なまでのギューギュー詰め状態になることはない。またコロナ禍でバス待ちのルールも徹底されてどこでも行列をちゃんとしているし、多くのバス停にinspector運輸省所属の監視員が配置されるようになって、多少の混乱防止には役立っている。

これぐらいなら、かなり空いている状態。現在はもちろんマスク着用が義務

ところで現在、ハバナを走る大型バスのほとんどが中国Yutong(ユートン)宇通バス。公共交通だけでなく観光バスもほぼ100%このYutong製だ。以前はベンツや日本の日野自動車製のバスもいくらか見られたのだけど、ここ10年ぐらいで全部Yutongに変わってしまった。台数はかなり増え最近ではハイブリットや100%電気自動車も導入されて、車両のレベルもかなり上がったように思う。ただ常に満員定員オーバー気味で、アスファルトの舗装状態も最悪の道を走るといった具合で酷使され、さらには質の悪い燃料を利用しているため劣化が早いのは否めない。加えてキューバ人たちのお行儀の悪さのせいで、座席や吊り輪の破損、車内の落書きは当たり前で見た目にもすぐに見すぼらしくなってしまう。

そんなハバナのバスに今回、日本製のバスが加わることになった。

見た目は現行のハバナ市内バスと同じく青くペイントされ、ボディには大きな車両番号とラム酒ハバナクラブのロゴでお馴染みのハバナのシンボルGiraldillaヒラルディージャが白抜きで描かれている。が、よーく見ると入り口横の窓には日の丸が!これらは今回Isuzuいすゞ自動車製、伊藤忠商事により日本政府の無償資金協力として今回キューバにやってきた84台のバスなのだ。

パッと見は今までの市内バスと変わらないけど、Isuzuのロゴに日の丸、間違いなく日本製!photo by Gramna

すでに導入される路線は決まっていて、市内にある2箇所のバスターミナルに配置され試運転の後、実際に市内を走ることになる。しかも我が家のあるハバナ・デル・エステを走る路線らしいので、とても楽しみ。ただこれまでピカピカの車両が導入されてもあっという間にボロボロになってしまうバスをたくさん見てきたので、今回日本製のバスたちにも同じ運命が待っているのかと心配になってしまう。

photo by Gramna

どうかキューバの皆さん、日本のGuagua大事に乗ってあげてくださいねー!

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