Dominóドミノ

ドミノといえば日本ではピザやドミノ倒しを思い出すかもしれないが、本来は麻雀と同じような長方形の駒を使って2〜4人で遊ぶテーブルゲームだ。ドミノの駒はそれこそデリバリーピザの箱にもデザインされているし、どんな感じで遊ぶのかは外国映画などで4人がテーブルを囲んでいるのを見て知っているかもしれない。その起源はヨーロッパといわれ、現在は中南米諸国でポピュラーなゲーム、中でもベネズエラ、コロンビア、ドミニカ共和国、プエルトリコ、パナマ、メキシコといったカリブ海域諸国で特に好まれているそうだ。キューバでも子供から大人まで誰も気軽に遊べる、パーティーや休日の午後に欠かせない娯楽といえる。夕方、家の前の道路へテーブルと椅子と持ち出して、上半身裸でラム酒を片手に大声を上げながらドミノをする様子はキューバでおなじみの光景だ。

遊び方はいたって簡単。

ゲームに使う駒の数やルールは色々あって地域によって異るが、キューバで最もポピュラーなのは0/0から6/6の目の28個の駒を使って4人で遊ぶもの。個人で勝負することもあるが、正面に座った人とペアになって勝負した方が盛り上がる。

まずはテーブルに目を下にして駒を撒き散らし、ぐるぐるかき混ぜる。これをなぜだか知らないけれどDar el agua=水をやる、と呼ぶ。

だーれあぐあ〜!

各自7つずつの駒を手元にとる。一番目数の大きな駒6/6(doble seisドブレ・セイス)を持っている人がテーブルに出してスタート。

あとは時計回りに手持ちの駒を捨てていくだけ。最初に出した駒から両側に同じ目の駒を並べてつないでいく。

こんな感じ。ダブルの駒は縦方向に置く

途中、捨てる駒がなかったらパス。

上がりは手持ちの駒が全てなくなるか、テーブルに一種の目が出揃って両側どちらへも続けていくことができなくなった場合。前者の場合は駒を全部捨てることができた人が勝ち、後者の場合は手元に残った駒の目数の合計が少ない人が勝ち。これを得点をつけながら繰り返す。

要はいかに早く手持ちの駒がなくなるか、大きい目数の駒を先に捨てられるか、だけ。

本当にルールは超単純なのだけれど、テーブルに出ている駒の種類をよく観察して誰がどの駒を持っているか推測しながらやる駆け引きが面白いらしく、キューバ人たちは相手を野次ったり、煽ったりと大声を出しながらエンドレスで楽しむのだ。ラムが入って本気度が上がると喧嘩が始まってしまうこともしばしば・・・

といっても、最初のうちはただ駒を捨てていくだけのドミノのどこが面白いのか全くわからず参加しても「何だかなー」と若干苦痛な付き合いだったのが、未だに初心者ではあるものの数をこなしていくうちになんとなく「ツボ」がわかってきて最近はキューバ人たちの盛り上がりにどうにかついて行けるようになった。

ここ数ヶ月、コロナの影響で路上ドミノも自粛中。いつになったら再開できるのかわからないけれど、キューバ人が集まるところにドミノあり、この法則はどんな状況であれ今も昔も変わらない。きっとこれからも。

我が家でも家籠り生活が始まった頃は、夕方家族でドミノをするのが日課になった。しばらくしていなかったのだけれど、最近またデジタルゲームに飽きた子供達がドミノの駒を持ち出して遊んでいる。

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