キューバのコロナ近況 2021.7

前回キューバのコロナ近況について書いた1ヶ月ちょっと前、なかなか減らない感染者を危惧しつつ、ハバナではワクチン接種が進んで少しずつ効果が出てきているんじゃないかと希望的観測をしていた。

が、感染爆発は止まらなかった。

1000人単位で感染者が増え続け、前日の倍増近くというとんでもない勢いの日もあってここ10日間は連日6,000人超え。そして7月21日には前日から1,000人以上増の7,745人!翌日はさらに増えて記録更新。

2021年7月22日23時59分現在の感染状況:新規感染者7,784名(ハバナ1,357名)、現状陽性者37,435名、累計感染者316,383名、累計回復者276,689名、累計死亡者数2,203名

もう全国的に感染拡大しているのだけれど、特に深刻なのがキューバ最大のビーチリゾート、バラデロのあるマタンサス州だ。バラデロは現在でも観光客を受け入れているのだが、例の感染力が強いとされる変異株が海外から持ち込まれ、このマタンサス州から広がったというのがもっぱらの噂。真相はともあれもう爆発しちゃっているのだから、なんとか食い止めないといけないんだろうけれど、これまで以上に市民の生活に直接影響のあるような規制や制限などは今も出されていない。ハバナでも公共交通や公共機関、一般の経済活動は機能している。ただ、もう極力外出は控えて用事がない限りバスにも乗らないけれど・・・

一方でワクチン接種は進んでいる。全国民の20%以上が接種完了。Photo by Cubadebate

加えて先日の7.11事件。キューバではあれが国民による正当な「デモ」であったという言い方は避けるようになって、「7月11日の騒動」といった感じの表現を使うようになっている。事件から数日後は、他にも小さな集会があったりしたようだが、すぐ街にはいつもと変わらぬ風景が戻った。国内のメディアではあの日のことをあれこれ検証したり、海外での報道やSNSで拡散されたフェイクニュースを暴いたりして、国民に「正しいこと」を伝えようとしている。実際にこうした写真や動画も多少は見たけれど、どれがどこまで真実なのかは結局のところよくわからないし、明らかな嘘がたくさんあることも確かで、渦中にいる者としては他人の生活はほっといてよ、と静かで平和な生活を望むのみ。

といっても、キューバはキューバ。日常とはつまり日々の戦いの繰り返し。

買い物するのに行列は必須

今日も朝から買い出しの行列に並び、ご近所さんとコーヒー飲みながら厳しい現実に言ったところで何も解決しない愚痴をたれ、日陰を探して公園wifiでネット繋いでひと仕事、たとえ30分でもと息子を机に向かわせる無駄な努力をしているうちに、チキンとひき肉と卵とソーセージという限られた材料から献立を考え夕食を準備しないと。加えて洗濯機が壊れてしまっているのが、目下我が家で最大の解決すべき問題で、そのためにあらゆる知人友人に「洗濯機なおしてくれる人はいないか?」と電話をかけまくる・・・

あっという間に1日が終わる。毎日家からこんなに素敵な夕日が見られるのがせめてもの救い

キューバ生活は特に何かがなくても、いつもなんだか騒がしい。コロナもデモも心配だけど、今日という日を一人一人が生き抜くために、構っちゃられないこともある。

とはいえ、最低限の感染予防はしないとね。

キューバのアスリートたち、TOKIOへ!

東京オリンピックがいよいよ来週から始まる。

コロナの影響で1年延期、その原因となったコロナはいまだに収束が見えない状態で、世界中国境を超えた移動すらままならないこの状況で、まさかやらないだろう、いやもしかしてやる気か、こうなったらやるんだろうな、とここまできて現実味を帯びてきたオリンピックTOKIO2020。

キューバの選手たちも先日革命広場で壮行会を行い7月14日、日本へ発った。

壮行会での様子 Photo by Granma

キューバはスポーツが盛んなことで有名だ。スポーツを楽しむことが国民の権利であるとして、国を挙げてスポーツの振興、選手の育成に取り組んでいる。オリンピックへも多くの選手を送り出し、これまでも素晴らしい成績を上げてきた。夏季オリンピック歴代メダル獲得数を見ると全体で226個、うち金メダル78個は世界16位。ボクシングがダントツで多くのメダルを獲得しているが、他にも野球や女子バレー、柔道、レスリング、陸上などでもキューバの選手の活躍が目立つことを記憶している人も多いだろう。

キューバのオリンピックメダル獲得数、青:金、濃赤:銀、赤:銅 by Granma

オリンピックは世界的にも最高位にあるスポーツの祭典で日本でもそう認識されているが、実際のところその成績上位にある国、毎回多くの選手を送り込んでくる国を見ると、偏った地域と国でのみで盛り上がるイベントであることに気付く。いわゆる後進国といわれる国ではオリンピックが何であるかすら知らない人も多い、というのを南米で知り驚いた。オリンピックが開催中であっても人々は全く関心がなく、テレビ中継もなければ全然盛り上がらないのだ。

それを知った後、キューバでオリンピックイヤーを体験し「おおっ、盛り上がってる!」と感動したことを覚えている。テレビ中継は再放送含め24時間、自国の選手が出ていなくても人気がないスポーツでも、あらゆる種目、選手の活躍を放映する。パラリンピックも全て。テレビでスポーツを観戦してこれだけ盛り上がる人たちはいない、というほどキューバ人たちは画面の前で熱狂する。自国の選手が活躍すればなおさらだ。

今回東京オリンピックへは16種69名の選手(パラリンピック14名)が参加する。種目でいうと陸上、ボクシング、レスリング、柔道と個人競技での参加が目立つ。メダルが期待されるのはやはりボクシング、そしてレスリングのMijaín Lópezミハイン・ロペスが4大会連続で金メダル獲得するか、といったところが注目されている。陸上では先日の世界リレー選手権で金メダルを獲得した女子4×400mリレーチームが楽しみ。

4つ目の金メダルなるか、Mijaín López ミハイン・ロペス! photo by Cubadebate
5月の世界リレーで金メダルした彼女たちの活躍にも期待!photo by Granma

ところで今回一番残念で、一番驚いたのは野球が参加を逃してしまったことだ。そしていわゆるチームで競う団体競技の参加がない。これは最近のキューバのスポーツ界の特徴を示しているようにも思う。国の体制上、プロが存在しないキューバではスポーツで活躍して栄誉と名声は得られても、儲けにはならない。海外のプロスポーツ選手の生活ぶりを知れば、たとえお金のためだけではないにしろ、亡命してまでも海外でやってみたいという選手の気持ちは十分に理解できる。残念だけど優秀な選手が外へ行ってしまうのを止めることはできない。

ハバナの空港から日本へ立つ選手たち。おそろいのバックにはカタカナで「キューバ」の文字が!photo by Granma

今回、キューバの国旗を背負ってトーキョー出陣のSamurai Cubanos=キューバのサムライたち、コロナ禍決して正常ではない状態での大会だけど頑張れー!テレビで応援してるよーーー!!

なんだかキューバが騒がしい

日曜の午後、サッカーのヨーロッパ選手権決勝戦をまったりと見ていたら突然、ディアス・カネル大統領から重要な発表があるとテレビの画面が切り替わった。最近のコロナ感染者数急増にともなって規制強化でもあるのかと思って見ていたら、なんだかもっとヤバそうな方向へ話がいく。なんでもハバナのお隣アルテミサ州の街で大きな反政府デモが起こってすぐに大統領自ら現場へ行って現状確認、とんぼ返りしてテレビでの演説となったようで少なからず興奮した様子の話ぶりだった。

アルテミサ州サン・アントニオ・デ・ロス・バーニョスを視察中のディアル・カネル大統領 photo by Granma

演説の内容は、国民に向かって反政府運動の元凶はアメリカのキューバ制裁にあり、今こそ革命精神を発揮して街に出て結集しよう、的なもので、今回は状況がシビアなこともありより厳しい口調と表現ではあったものの何かあるたびに政府が発信する内容とさほど変わりはなかったように思う。この大統領発言の後、革命支持の政府擁護の人たちも街へ出てパフォーマンスが行われたようで、キューバの夜のニュースではこちらが映し出された。

政府側に立つ人たちも街へ photo by Gramna

実際にはその頃ハバナのカピトリオ周辺、セントロハバナあたりでは多くの人が通りに出て一部暴動もあり、そこら中の道路が閉鎖されていた。ハバナだけでなく地方都市でも同じような行動があったという。だが幸い私の住んでいる地区はいたって静かで、実はこれらについて翌日報道された海外の記事と写真をネットで見て驚いたぐらい。

カピトリオ前での抗議行動の様子 photo by BBC News

アメリカの経済封鎖+コロナでキューバの現状は確かにひどい。

今回のデモ行為の原因は中でも食糧、電力不足に対する不満が爆発したことによるというようなことが報道されている。加えてコロナの感染爆発、医療品の不足が深刻な状況に拍車をかけているのは否定できない。キューバ政府としてはこれら「すべてをアメリカの制裁のせい」にし、アメリカとしては「独裁政権と人権迫害がある限り制裁は解けない」とする、もう何十年も続けられてきた応酬の繰り返し。

正直、またか、と思ってしまう部分もある。それでも今回のこれをきっかけに何かが、良い方向へ動くことを期待して・・・

熱帯暴風雨エルサ、キューバ縦断

6月から11月はハリケーンの季節で、キューバが影響を受けやすいのは9月から10月と言われる。去年は例年より多くのハリケーンや熱帯暴風雨が発生したが、今年はそれ以上に多く発生すると予想されハリケーンのあたり年でキューバにも複数上陸する可能性が高いといわれている。果物のあたり年は嬉しいけれど、ハリケーンは全然嬉しくない。その前兆か今年は5月にはハリケーンが発生し始め、7月上旬だというのにキューバでも警戒せねばならないような熱帯低気圧Elsaエルサがやってきた。

ところでカリブ海を含む大西洋北部で発生する最大風速17m以上の熱帯低気圧には、毎年アルファベット順に男女交互の人名によって命名される。日本の台風のようにその年ごとに数字で○号というのはわかりやすくていいが、ハリケーンのように人名というのも、記憶にも残りやすいしなんだか親しみを持ってしまう。もちろん親しくしたくはないけれど・・・今年はアナに始まって5つ目がエルサと某ディズニー映画を思い出したのは私だけじゃないだろう。

まあそれはさておき、そのエルサが今週初めにキューバを縦断した。

Photo by NOAAアメリカ海洋大気庁

キューバの東、ドミニカ共和国やハイチを通過してキューバに接近する直前に一時期カテゴリー1のハリケーンにまで発達したが、キューバ上陸前には再び熱帯暴風雨に勢力を落とした。キューバの東、グランマ州沖でほとんど動かなくなり「おい、いつまでそこにいるんだ?!」と心配させたが、重い腰を上げて少しずつ前進し7月5日朝にシエンフエゴスの西、マタンサス州の南岸ヒロン湾あたりに上陸そのまま北西方向にゆっくり進んで、マタンサス州北岸から抜けていった。

ハバナも警戒地域に当たっていたので、5日正午には公共交通がストップして店や公共機関がすべて閉められた。午後になってもそれほど風が強くなることもなく晴れ間も出ているくらい、それでもどこも開いてないし足もないしで、日が暮れる前から屋外には人影もほとんどなくなってしまった。今回はそれほど勢力の強くない熱帯暴風雨だったにも関わらず、徹底した災害予防対策が取られるあたりはさすがと、いつもながらに感心する。ハバナに最も接近したのは夜中から明け方にかけてだったが、それほど強い雨風を感じることもなく心配していた停電もなく朝を迎えた。テレビのニュースを見ても大きな被害はなかったらしくホッとする。

通過経路にあったマタンサス州などでは相当の雨量があって浸水したところも多かったそう Photo by Granma

こうして今年初めてやってきたハリケーンになりそこないのエルサは、やや控え目な印象をキューバに残して去っていったのだった。

キューバ、のりものいろいろ

のりものが好きだ。

自転車、自動車、列車、飛行機、船、一般的な移動の手段であるものならなんでも、そして遊園地のアトラクションも観光地のロープウェイも。旅先でも移動の際にはできるだけ色々な移動手段を使うように日程を組んで、街中で面白い乗り物に遭遇したら試してみる。

のりものは楽しい。

キューバでそんなのりものフェチの欲求を満たしてくれるのは、古い年季の入ったのりもの達。まずはなんてたって名物のクラシックカー。観光客を乗せて走るオープンカータイプのアメ車タクシーは、キューバへ来たからにはとりあえず試してもらいたい。なんだかんだ言ってテンション上がること間違いなし!

カラフルな車が並ぶ革命広場の駐車場

その他にもキューバを走る車は、好きな人にはたまらない旧車ばかり。大きくていかにも燃費の悪そうな現地でAlmendrón(アルメンドロン=大きなアーモンド)と呼ばれるアメ車の多くは、Máquina(マキナ)という個人経営の乗合タクシーとして利用されている。大まかなルートが決まっているが、好きなところで乗り降りすることができ1区間15ペソ(約60円)から。

旧車ではないけれど、観光客にも人気なのがココタクシー。ココナツのような丸い形の車体が特徴の原付の後ろに客席をつけたもので、走る姿もかわいらしい。乗り心地はともかく風を切って走るのはオープンカーと同じ、マレコンあたりをビューンとゆくのがオススメ。

マレコンをゆくココタクシー

一般市民の足となる公共交通は、ハバナの場合バスやRutero(ルテロ)と呼ばれる乗合タクシー。ある程度路線を知っていて行き先の場所がわからないと利用がちょっと難しい。バスは1回2ペソ(約8円)、Rutero は1区間5ペソ(約20円)で最大3区間で15ペソ(約60円)。

そして1年ほど前にハバナ旧市街とセントロハバナの狭い地域限定で、原付の後ろに6人乗れる台車を引っ付けたのりものが登場した。こちらもルートが決まっていて、1回4ペソ(約16円)道の狭い旧市街の中もいくつかの路線が通っている。電気バイクを使ったエコカーで、ドライバーは全て女性というのが特徴。こちら未経験なので一度乗ってみたいのだけど、そういえばなんて呼ばれているのかも知らない・・・

新登場のエコタクシー

それからハバナでは特に旧市街とセントロハバナに多く身近な足となっているのが、ビシタクシーという自転車タクシー。自転車を改造して後部に二人乗りの座席をつけたものだけど、それぞれ細かい仕様はアレンジ無限、あり合わせの部品の組み合わせや持ち主の個性が出ていて面白い。一生懸命こいでくれるドライバーの背中を見てると思わず「頑張れー!」と声を掛けたくなる。歩くのとはちょっと違った視線で街が見えるので、観光中に一度乗ってみるのもいい。

ビシタクシー、どこでも気軽に止めて乗ることができる。行く先を決めて料金は事前に交渉

馬車が活躍しているところもまだまだ多い。そういえばコロナで見かけなくなったのですっかり忘れていたけれど、旧市街には観光客を乗せて走る馬車があったっけ。そしてハバナの郊外、と言っても旧市街から車で10分の我が家の近所でも、馬車に乗ってゆく人を見かける。またオリエンテ(東部)のバヤモは街中に馬車が多いことから「馬車のまち」と呼ばれているし、他の街でも馬車が立派な交通手段のところはたくさんある。

バラコアの街をゆく馬車

キューバの鉄道もとんでもなくレトロだ。キューバは世界的にも早い時期に鉄道が敷設されたことで知られ全国に路線はあるけれど、まともに機能していないところも多く主要な移動手段とはなっていない。ハバナ近郊で乗れる列車トリニダの郊外で乗れる観光列車については以前このブログでも書いた。そんな鉄道だが数年前から、外国の援助で一新させようという話が出ては消えている。もしくは計画は継続しているのかもしれないけれど、一向に進んだ話は聞かない。車両だけは中国から新しいものが一昨年導入されて、なかなか快適そうな映像をニュースで見たけれどすぐにコロナになってしまって、現在運休中・・・コロナ明けにはこれも試さないと!

あとは船。キューバ人、実は船に乗るのが大変。島国キューバ、飛行機でなければ船で「島の外」へ行くしかないのだが、船をハイジャックして亡命する恐れがあるからとかで限られた公共路線しか存在しないし、これに乗るのもなかなか厳しい。ちなみに観光客を楽しませてくれるビーチリゾートのカタマラン船クルーズなどのほとんどが、キューバ人は利用できない。で、ハバナで船といえば旧市街から対岸のカサブランカ地区を結ぶLanchita(ランチータ=小さな船)がある。カサブランカ地区にはカバーニャ要塞、チェ・ゲバラ邸、モロ要塞と見所も多いので、往復どちらかをこの小舟を使って行ってみるのも面白い。

旧市街からカサブランカ地区へ向かうLanchita、自転車もOK座席はなくたって乗船

他にもバス以外の長距離移動に使われるCamion(カミオン=トラック改造して荷台に椅子をつけたもの)、地方のカーニバルで乗った二人乗り自転車やハバナの植物園のトラクター改造した園内見学の車とか・・・キューバ人のお得意Invento(インベント=でっち上げ?!)がのりものにも存分に活かされているのが楽しい。

キューバののりもの、まだまだ乗り足りない!

キューバのコロナ近況 2021.6

キューバのコロナ感染状況はここ数ヶ月ほとんど変わらない。4月ぐらいから毎日の新規感染者数が1,000名を超えるのは当たり前となって、これを下回った日は数えるほどしかなく、1,000〜1,100名ぐらいを見事といっていいくらいキープしていたのだけど、ここ数日百の位の数字が2、3、4と上昇して先日6月14日はついに1,500超え、最高記録を更新してしまった。

2021年6月15日23時59分現在の感染状況:新規感染者1,403名(ハバナ339名)、現状陽性者7,625名、累計感染者161,997名、累計回復者153,189名、累計死亡者数1,118名

一方でワクチン接種は順調に進んでいて、先週までの集計で約200万人が1回接種を終え、合計3,632,080回の接種が行われた。今週からは新たにハバナのいくつかの地区で接種が始まり、18歳以下の子供に対するテスト接種が始まった。私も先週3回目の接種をして無事完了。

今後、デジタルカードも発行できるよう準備中だとか。

感染状況が深刻なハバナはワクチン接種が最も進んでいるが、ここ数日全国の感染者数が増加しているのに対して、少しずつ減少傾向にある。ワクチンの効果が早くも出ているという一方で、ハバナの検査数が減っているから陽性者も少なくなっているだけだという声もあり・・・本当の効果が判明するのはもう少し先かもしれない。何れにしても、ここにきて再度全国の新規感染者数が増加していることだし、まだまだ各自が感染予防策をしっかり取らないと、とわかっていてもやはり規制疲れ、気の緩みは否めない。

ところでハバナのコロナ感染予防のための規制に変わりはない。マスクの着用とソーシャルディスタンスの厳守、レストランなどの店内飲食禁止、博物館・娯楽施設・プール・ビーチなどの閉館閉鎖は継続中ではあるが、公共交通機関は乗車人数を規制しながらも夜間以外は運行しているし、そのほか最低限の経済活動や公共機関の機能は続行している。

そして学校は相変わらずお休みのまま。通常なら6月末には夏休みに入るがこの間に臨時開校する気はなく、このまま8月末までは休校し9月に新学期開始、新学年へは進級せずに現行の学年を来年1月まで続行する措置を取ることが先日発表された。

再び登校できる日はいつになるやら・・・

まだまだ続く毎日が夏休み状態。この生活にすっかり慣れてしまって、どうやって過ごそう、子供に何かさせなきゃなんてとっくに考えなくなってしまった・・・いかんな、緩みすぎ。

キューバからオンラインツアー第2弾、クラシックカーツアー実現!

ハバナ旧市街に続き、キューバからオンラインツアー第2弾としてクラシックカーに乗ってハバナの街をめぐるツアーがついに実現した。

そもそも構想は旧市街ツアーを企画している段階からあった。もともと通常の1日市内観光ツアーは、旧市街の徒歩散策とクラシックカーに乗っての新市街散策というのが定番で、それを2つに分けてオンラインツアー用にアレンジすればいい、と軽く考えていたのだが現実は甘くなかった。

マレコンをゆくクラシックカー

まずは果たして車で走行中、ずっとネット接続した状態つまりオンラインを維持することができるのか、を確認しないことには始まらない。キューバのネット環境がだいぶ改善されたとはいえ、場所や時間帯によっては不安定だ。とりあえずテスト走行して確かめるしかないが、我が家には車はないし、小一時間市内をぐるっと回るだけどはいえ、今時タダで車を走らせてくれる人はいない。ガソリン代は上がってはいないものの相変わらず入手困難、今年になってからの経済改革の影響で物価はだだ上がり、タクシー代金も当然アップ、テストの度により割高なクラシックカーを使うわけにもいかないので、かつての同僚にいくらか払ってお願いした。予定していたルートの途中、やはり電波状況が悪く接続が途切れるところがあり、ルート変更や部分的に差し込むビデオの準備が必要であることがわかった。改善点を踏まえて準備に取り掛かるも、ビデオ作成は素材の撮影から始まり編集するまでなんだかんだで1ヶ月近くかかってしまった。

そして全体の構成も再考して、いよいよクラシックカーを走らせてのテスト。

いつも利用しているドライバーに依頼、日時を告げ準備を整えてさあ!と思ったら、前日になって

「車が動かない!」

コロナで観光客のいないここ1年以上、彼らはほぼ営業停止状態。車もメンテナンスをしてはいたのだろうけど、いざ動かそうとしたらバッテリーがいかれてた・・・で予定が数日先に延期。

そしてなんとかこぎつけたクラシックカーツアーテスト初日、革命広場で心配していたことが起きた。

コロナ前の革命広場、今は誰もいなくて余計に広く感じる

普段ならクラシックカーで訪れる観光客で賑わう広い広場だが見事なまでに誰もおらず、駐車場にポツンと1台クラシックカー、カメラを持ったキューバ人と外国人2人が広場の真ん中で何やらやっているのは嫌でも目に付く。目の前にあるチェ・ゲバラの肖像があるのは内務省、すぐ近くには国防省に共産党本部、なんといってもここは革命広場、たとえ観光客が一人もいなくても警備や警察の数は変わらない。しばらくすると互いに目配りをしながら、複数の警察官が近づいてきた。

「何をしておる?」

ちょっとドキドキしたけれど、ドライバーは慣れたもんですぐに

¡Hola, hermano! オラ、エルマーノ!(キューバ人同士、相手が警察官でも「兄弟」扱い!)

と対応してくれた。外国人の私は半分わかったようなわからんような顔してニコニコしながら、観光客用の宣伝ビデオだとか適当に事情を説明し、怪しいものではないことをアピール。

「いいけど、あんまりチェは撮影しないでねー、内務省だからねー」

と、普段どれよりもたくさん撮られていると思われるチェの肖像のある建物の撮影を控えるように言われて、全然納得いかないけれど「了解!」と軽く敬礼してしのぐ。

こうして最初のクラシックカーテスト走行では、途中のネット状態やカメラワークのチェックが主となり、ガイド内容は少々なおざりになってしまったが全体の流れは確認できた。

その後、変更後のルートでもう一度乗用車を走らせてチェックし、さらに3週間後、2度目のクラシックカーテスト走行。これでほぼ完成形に持っていければ次はいよいよ本番、ということで他のスタッフにも視聴してもらい実際と同じ時間に通しのテストを行った。改善すべき点はいくつか指摘されたけれど、概ねうまくいって合格点。

掲載サイトの準備と更新、広報期間をへてさらに3週間後やっと本番!

こうして先日6月9日、『キューバからオンラインツアー第2弾クラシックカーでゆく!ハバナライブ散策』が実現した。

実は当日直前に予定していたドライバーが、コロナ感染者との濃厚接触で隔離状態となってしまい代理の車とドライバーに変更、ツアー最終地点のモロ要塞へ行くための海底トンネルが工事で一般車両の通行止めで、こちらも予定変更せざるを得なくなり・・・とかなりバタバタと対応に追われた。

それでもなんとか、無事ツアー終了。

今回利用したクラシックカー、1958年のフォード社Fairlane

ネットの状況が多少悪く画像が乱れたところがあったのは仕方がないにしても、終始中継自体は途切れることなくハバナから日本へツアーをお届けすることができた。思えば、数年前までほぼネット環境ゼロだったキューバからオンラインでつなぎ、しかも今回車を走らせながらということで、相当無謀なことに挑戦しているといってもいい。

きっと他ではまだ誰もやってないこの企画、もっと多くの人に知って欲しい!

今後のツアー予定と詳細は以下で確認ください!

https://onlyontravel.peatix.com/

ハバナ旧市街のアイス屋さん

決して甘党ではないけれど、アイスだけは別。キューバが暑いからというわけでもなく昔からアイスクリームが好きだ。

そしてキューバ人はとんでもなく甘党で、アイスももちろん大好き。有名な国営のアイスクリーム屋さんコッペリアだってあるくらい。キューバでアイスクリーム屋といえば=(イコール)コッペリア、コッペリアのアイスが美味しくないわけではないけれど、ハバナの場合はいつ行っても大行列だし、だいたい2〜3種類のフレーバーしかなく味を選ぶ楽しみがないのも物足りない。

量より質のアイス屋さんが欲しい。

そうかねがね思っていたのだけれど、ここ数年でハバナ市内にいくつかなかなかいけてるアイス屋さんができた。その中で旧市街のお店をご紹介!

Helado’Oro(エラード・オロ)

旧市街散策中に必ず立ち寄るイチオシ、イタリア人がオーナーのアイス屋さん。週1必須、多い時には週3ペースで通っていたことも。自分が食べたいものだから、お客様にオススメしてツアーの途中で立ち寄る事もしょっちゅうだ。コロナの影響で昨年からずっと閉まっていたのだが、2週間ほど前に再び営業しているのを見つけて迷うことなく店へ。

「息子よ、ごめん!母は内緒でアイス食べちゃうからねー」

観光客に人気なのはキューバらしいモヒート。シャーベットタイプのさっぱり味でモヒートに使うミント(Yerba buenaジェルバ・ブエナ)が効いている。チョコレートフレーバーはプレーンなものからブロックのチョコが入っていたり、ホワイトチョコを使ったものなど数種類、フルーツ系はキューバのアイスの定番グアバ、マンゴ、変わったところでグアナバナなんていうトロピカル系フルーツも。

最近のお気に入りはOshún(オチュン)というキューバの宗教サンテリアの神様の名前がついたホワイトチョコとシナモンが効いたオリジナルフレーバー。オープンした頃にあったジンジャーがむちゃくちゃ好みだったのだけど復活してくれないかなあ。
*35CUP(約140円)〜 住所:Aguiar e/ Empedrado y Tejadillo, Habana Vieja

Mango(マンゴー)

ビエハ広場からすぐ。コーンにのったマンゴー?それともアイス?をデザインしたロゴの看板が出ているのですぐにアイス屋さんとわかる。パッと見鮮やかな色とりどりのアイスクリームは、ちょっと柔らかめのイタリアンジェラードタイプ。

フレーバーはオーソドックスでシンプルなものが多く、チョコレート系が数種類とラムレーズン、トリプルミルク、コーヒー、フルーツ系はグアバ、ストロベリー、そしてマンゴーの横によりいっそオレンジ色の濃いものが・・・Mameyマメイ!マメイは小ぶりなフットボールの外観で硬い茶色の皮、果肉は濃いオレンジ色で味は、これが他に似た果物がないからなんと表現して良いのやらいつも困るのだけれど、あえて言えば良く熟れた柿をクリーミーにした感じで、とても甘い。大好きな果物の一つなのだけれどアイスになるとイマイチなことが多い。でも今日は冒険して試してみる。

味は・・・んー!なかなかにマメイだわ。口にした瞬間いっぱいに広がるマメイ感が美味しくて奮発してビックサイズにすればよかったと後悔した。
*40CUP(約160円)〜 住所:Teniente Rey e/Cuba y San Ignacio, Habana Vieja

キューバ産コロナワクチン体験

5月も中旬となったがキューバのコロナ感染状況は相変わらず、新規感染者は連日1000人超えが当たり前になってしまって、重症者数、死亡者数もここ数ヶ月増加している。やはりすでにキューバ全域で確認されている変異種が原因だろうということだ。

ハバナの状況も一向に良くならないのだけれど、ここまで新たに規制強化することはされていない。国民の生活をこれ以上制限することはしないで、もうここはワクチンで一気に解決、というのが政府の方針のようで、5月になってワクチン接種の対象を一般市民にまで拡大、加速して進められている。

キューバ国産のコロナワクチン候補は5種あり、この中でSoberana2とAbdalaの2つが段階的に最も進んでおり、すでにハバナやサンティアゴなどで高齢者や医療従事者を中心に接種され、5月12日からはハバナの4つの地区で一般への接種が始まった。

キューバ産ワクチン5種。Soberana01, Soberana02, SoberanaPlus, Abdala, Mambisa  photo by Gramna

そして先週の土曜日、早くもキューバ産ワクチンを体験!

医療が無償のキューバ、予防医学にも力を入れているのでもちろんこうしたワクチン接種や健康診断も全て無料で受けることができる。なので、コロナワクチンとはいえ接種会場を探したり、予約の仕方を調べたりとこちらから出向いていかなくても、全ては向こうからやってきた。

1ヶ月ほど前に住んでいる地区の保健省担当者がやってきて個人情報やアレルギーについて質問、それらをノートの切れっ端に手描きで記入して提出。

1週間ほど前に接種日時と場所を記した予約票なるものが届く。

予約票。名前と日付以外は読めない・・・

当日、予約時間に接種会場へ。

会場は子供の通う小学校、ピンクの建物が我が家のあるアパートなのでお隣、徒歩1分!

まずは医師による問診と受付、検温と血圧測定。時間も指定されていたこともあり、10名ぐらいずつがまとめて説明と受付を済ませる。

ほぼ青空教室状態の筒抜け建物が問診場所。ソーシャルディスタンスも取られていつもの行列もなく、思いのほかスムーズ

ここでやっぱり手描きの整理番号を書いた紙切れが渡され、接種する部屋へ移動。

53が整理番号、あとは名前と住所と血圧ということらしい

接種担当の看護師は2名、整理番号順に接種していく。チクリと針の痛みすら感じず全く痛くなかった。キューバで何度か注射を受けたことがあるけれど、痛みが少なくいつも「看護師さん上手だなあ」と思う。

Photo:Eduardo Palomares y Germán Veloz, by Gramna

接種後、接種証明カードを受け取り待合室で1時間待機。小学校の子供用の椅子に座って待つこと1時間、何もなければ最後にもう一度血圧を測り、次回の接種日時を確認して終了。

接種証明カード。次回接種時には忘れずに!

私が受けたAbdalaアブダラは3回接種が必要で14日、28日後にそれぞれ2度目、3度目の接種を受けることになる。今回子供への接種はまだ行われておらず、18歳以上の成人が対象となっている。これまでAbdalaアブダラとSoberana02ソベラナ02の接種が進められているが、現時点で重症化したような副反応があったことは報告されていない。

会場に貼ってあったワクチンAbdalaの説明

ところで4月以降一向に感染者数が減らないのにハバナの規制を強化しないでワクチン接種を優先させているのは、ワクチンの劇的な効果を知らしめたいためなんじゃないかと思っている。こーんなにいた感染者がワクチンのおかげで激減しましたよ、と。

何れにしても、これから全国でワクチン接種が進められ8月には全国民免疫獲得を目指すとのこと。そうして世界に先駆け完全コロナフリー国になれたらそれに越したことはない。

今こそキューバ医学の本領発揮、¡Viva Cuba!

今年もおうちでメーデー 2021

5月1日はメーデー。キューバで一番大事な祝日のひとつであり、労働者の祭典として国を挙げてお祝いする日。でも4月の上旬には昨年に引き続き、今年も恒例の革命広場での集会を中止することが告知された。

ふと1年前を思い出す。

コロナによって生活が一転し、それまで経験したことのない移動や行動制限を余儀なくされるようになってまもなくで、ストレスというほどではないけれど慣れない不自由にまだ戸惑っているような時期だったと思う。そんな中で#Mi casa es mi plaza#「私の家が私の革命広場」というスローガンを掲げ、自宅でメーデーのお祝いが奨励された。それ以前にメーデーの集会に参加するため、革命広場へ行ったことはないけれど、これからも多分行くことはないけれど、毎年恒例のイベントがないのは寂しいなあ、「来年のメーデーは通常通り開催されますように」とブログの記事にも書いて、心の中では「来年までこんな状態が続くわけない」と半ば確信していた。

去年のメーデーで使われたイラスト

それなのに、今年も去年と同様にメーデーのイベントはなし。

革命広場の群衆が見られないのが残念なわけではなくて、もう1年以上にわたって例年の、恒例の、通常の行事がことごとく中止されているのに、それにも慣れてしまってきていることが怖い。

「あーやっぱりね、そりゃやらないよね」

と。こういった行事の中止やバーチャル開催についてのニュースもサラッと聞き流してしまう。

それでもやっぱりメーデーはキューバにとって特別な祝日なので、ここ数日のニュースや新聞では関連記事が多く取り上げられている。

今年のスローガンは#Unidos: hacemos CUBA#「集結、キューバをなす」

この1年、経済封鎖にコロナ禍が加わり、そのなかで通貨統一と経済改革と困難な時だからこそ国民が集結して国をつくっていこう、ということなのだろう。

いつものことながら、言ってることは正しい、素晴らしい、キューバらしい。そこはコロナでも変わらないキューバ、さすが!