トリニダが好きだ。
トリニダはキューバ中部、1514年に創られたキューバでも最も古い都市のひとつで、18〜19世紀植民地時代にはサトウキビ栽培で繁栄し、当時の富豪たちが建てた豪華な建物が街の中心部に残る。これらのトリニダの街並みと現在もサトウキビを栽培し、所々に大規模農場跡が残るロス・インヘニオス渓谷は、世界遺産にも登録されている。
トリニダへ初めて行った時に感じたワクワク感が忘れられない。
旅の途中、そこへ足を踏み入れた瞬間に、「おおっ、これは!」とこの先の経験を期待させる胸騒ぎを感じる場所がある。その直感は多くの場合、間違いはない。
トリニダもそうだった。
そして今でも行くたびに、気分が高揚して仕方ないという特別な場所。
なんでこんなに好きなんだろう?
街の大きさが丁度いい。トリニダは小さな街だ。中心地は歩いて半日もあれば回れてしまう。街の中心にある教会や広場のほかは特に目玉となるような見所があるわけではないけれど、その街並み丸ごとがとにかく素敵だ。石畳の坂道、コロニアルな建物、その中に自分がいると思うだけで、嬉しくなる。
古都であること。古い街はやっぱりいい。歴史のある街は様々な時代に住み続けてきた人々の思いが重なって、なんというか、街そのものに深みがでる。
トリニダの人。かつての繁栄した時代が街の景色にしっかり感じられるのに、そうした時代の華やかさよりものんびりした印象が強いのは、そこに今暮らす人々の生活が反映されるから。トリニダでの楽しみは、もっぱら地元の人たちとのおしゃべり。知人だけでなく、店の人、街の客引き、馬を引くおじさん、あちこちで足を止めて話し込むうちにあっという間に時間が過ぎる。
カサパルティクラル。トリニダでは絶対にカサへ泊まるべき。築200年、300年というトリニダ独特の平屋でコロニアルな建物に泊まるチャンス。観光客も多いトリニダは質の高いカサがたくさんあって、どこも本当に素敵だ。建物だけではない、カサのオーナーのおもてなしもピカイチなので、片言のスペイン語を覚えて、無理なら身振り手振りでコミュニケーションに挑戦して欲しい。
夢は、いつの日かあの街に暮らすこと。
あー、愛しのトリニダ!
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