ハバナのカピトリオ、完全公開

昨年2019年11月のハバナ創立500年を前にカピトリオ(旧国会議事堂)の修復がいよいよ最終段階に入り、9月ついに建物の中央ドーム部分の覆いが外された。数ヶ月前からすっぽりとシートに覆われていたので中でどのような作業が行われているか分からず、どんな仕上がりになるのか注目されるところだった。そしてお披露目の日、金色に光り輝くその姿を見たときには思わず「おお〜!」と声が出た。

その少し前には、ドーム下、中央入り口の「キューバ共和国を象徴する女性像」がやはり金ピカに修復されて公開された。

その眩ばかりの輝きっぷりは、ちょっとやり過ぎ感があるくらいだけれど、ドームと同様、90年前に作られた時もやはり金箔張りだったそうだから、見事に再現されたということらしい。当時のキューバがアメリカの下でいかに潤っていたかがわかるが、今回の修復でこれらの金はロシアの寄附によるものだそうで、国同士の政治的関係が背後にちらちらどころか、前面にキラキラと現れているわけだ。

10年間におよんだカピトリオの修復では、もちろんピッカピカのドームとブロンズ像だけでなく外壁、内部の隅々まで全面的に行われた。2018年夏には工事が続けられる中、向かって右側半分は一般公開されて見学ができるようになった。ブロンズ像のある中央玄関入り口のホールと見上げるドーム、両翼の廊下、複数のサロン、半円形の下院議会場、ホセマルティの名を掲げた図書館とすでに公開されていた部分だけでも、当時の贅を尽くした建物内はヨーロッパの宮殿並みでとても見応えがあったのだが、2020年1月より修復の終わった左半分の公開も始まった。奥の方でどうやらまだ作業中の箇所もあるようだが、これで一応完全公開ということらしい。

新たに公開されたのは上院議会場といくつかのサロン。

上院議会場は、下院のそれよりも小ぶりだが、高い天井には美しいステンドガラス、マホガニーをふんだんに使った机に椅子と贅沢なつくり。

他のサロンはそれぞれ展示施設として利用されており、パネルや映像でキューバの歴史的場面やカピトリオ建築に関わる資料の部屋、キューバの国家、国旗、紋章を説明する部屋がある。

今回見学箇所が増え、特に新たに公開された部分は文字資料も多いのでゆっくり見学したいところなのに、見学時間は変わらず45分のままなので時間が足りない。ガイドとともに回らなければならないので限られた時間しかなく、かなり駆け足となってしまうのが残念ではあるけれど、ハバナ旧市街観光の途中で是非入場してほしい。

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