コロナで緊急配給! 石鹸、歯磨き粉、洗剤

社会主義国キューバには、配給制度がある。1959年のキューバ革命勝利後、国民に均等に食料や生活必需品が渡るようにと始まったものが、配給内容やその量は時代とともに変わったものの今でも制度としてあり続けている。家族ごとに1年に1冊配給手帳を配布、これに従って月ごと、あるいは日ごとに配給されるものがあり、近所の配給所でそれらを格安で手に入れることができる。配給といっても無料ではなく、わずかではあるがいくらか支払う必要はある。

我が家の配給手帳。
中はこんな感じ。月ごとの配給品をチェック

最近ではそのほとんどが食料品で、毎月きまって一定量配給されるのは米、豆類、サラダ油、そして砂糖など。砂糖は今でもキューバの主要産業のひとつであるが、何もかも不足している中、砂糖だけは余っている国だけあって配給もたっぷり。ご丁寧に白砂糖と少し茶色い三温糖タイプの2種類をひとり当たり2キロ少々、子供の同量なので我が家は3人で月々6キロ以上の砂糖が手に入る。そのほかのものは先に挙げた通り品数も少ないし、一般的な家庭の1ヶ月分としては不十分な量しかもらえないのだけど・・・肉類は不定期で鶏肉やハムが少々、魚類はダイエット食として医師の処方のある人のみ、卵はある時には月々15個/人ぐらい、大人はコーヒー1パック、子供は粉ミルクといった具合。それから1日1個のパンがあるが、これは毎日パン屋へ取りに行く必要があり、翌日に取り置きは不可。こうした配給品だけではとても毎日の食事を賄えないし、野菜や肉はそのほかの店や市場で購入することになる。

配給にもその時の事情によって、緊急で特別なものを配給されることがごく稀にある。もう10年以上前になるが全国の女性に電気圧力鍋が配給されたり、中国製の冷蔵庫が配給されたりしたことがあった。配給されるのは同じ商品だからどの家庭にも同じものがあり、上記2点は今でも多くの家庭で必ずといっていいほど見られる製品。店頭にある品物もそうだけれど、各商品、製品の種類が少なくてどこへいっても同じというのを見ると、ザ・社会主義を感じる。まあ、これは社会主義だからというだけでなく、アメリカによる経済封鎖の影響が大きいのだけど・・・。

で、今回コロナウィルスに関連して緊急配給されることになったものたち。

石鹸、歯磨き粉、台所洗剤

感染予防のためには何といっても、手洗い。

だから、衛生商品。

我が家にきたコロナ対応特別配給品、歯磨き粉はうちの配給所にはまだ届いておらず、石鹸と洗剤のみ。

今回に限らずいつも必要だけどね。ちょっと前にはこれらのものがキューバ中で不足していてたいへんだったという事情があるからかもしれないけれど、まあとりあえず、ありがたくいただきます。

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