12月になってしまった。
世界中がコロナであまりに多くのことが変わってしまい、受け入れざるを得ない変化を否応無く受け入れて、慣れるも慣れないもなくここまで一気に来てしまった感じがする。1年を振り返るのはもう少し先にして、12月のキューバの様子。
1日、月が変わるのを知っているかのように天気が「冬」になった。1ヶ月ほど前から朝晩の気温が下がって(といっても最高気温が30度を切り最低気温が22〜23度)、随分過ごしやすくなっていたが、30日の夕方から風向きが急に変わって夜には強い風が吹き始めた。そして翌朝はどんより曇った空に冷たい風が吹き荒れている。
これがキューバの冬。
Frente fríoいわゆる寒冷前線が接近して気温がぐっと下がることがこれからの季節、月に何度かある。今回はまだ12月の初めということでそれほど気温は下がっていないけれど、風もあってより「涼しく」感じる。だが決して「寒く」はない。でも亜熱帯の気候に慣れているキューバ人にとってはもう冬の到来、早速久しぶりの長袖と長ズボンを出してきてしっかり防寒して外出している。普段はしない重ね着をして数少ない冬服を無理やり合わせているのがチグハグだったり、妙に大袈裟だったりするので、キューバ人の冬コーデにはクスッとしてしまう。
この時期になると、多くの国や地域でクリスマスのデコレーションが街を賑やかにしているはずだけれど、コロナ禍で今年はどんな感じなんだろう。キューバはかつてスペイン植民地だったこともありカトリック教徒が多いとされるが、他の中南米諸国と比較すると宗教色は薄くてカトリックの習慣が生活の中に浸透しているのを実感することがほとんどない。
その証拠にクリスマスが盛り上がらない・・・
最近は観光客向けにホテルやレストランの飾り付けも派手になってはきたけれど、ウキウキワクワク、クリスマス気分が高まるほどではない。ましてやコロナの影響で観光客がまだほとんどいない今年は、より寂しいものになりそうだ。
普段からイマイチのクリスマスだけれど、クリスマスの後にやってくる大晦日から新年を迎える時は大いに盛り上がる。家族や友人たちで集まり遅い夕食をとって、年が替わる瞬間を皆で一緒に迎えるのだ。もちろんこの日はご馳走で、キューバ人が大好きな豚の大きな塊肉をガッツリ食べて、ビールやラム酒を飲んでFiestaフィエスタ=パーティー!
でも今年はコロナの影響もあって「密」になる集まりは控えなきゃならないし、何よりも市場に豚肉がない。キューバ人のお腹を満たすだけの豚がどう見ても足りない。ビールも長いこと店で売っているのを見たことがない。
でもきっとどんな逆境にも打ち勝つ強さとユーモアを持ったキューバ人。得意のinventoインベント=発明・でっち上げをして、このあまりに特殊で異常な1年の締めくくりをしてくれるんじゃないか、と楽しみにしている。