キューバインターネット最新情報 2020.6

コロナウィルス感染予防対策のため家で過ごす時間が長くなり、多くの人が自宅で仕事をせざるを得ない状況が続いている。自宅でリモート勤務となるとインターネットは必須だけれど、キューバではまだまだネットが使える環境にある家庭は少ない。それでも2018年12月以降1年ほどで携帯電話を利用したデータ通信3G/4G によるネット接続が普及して、公園やホテルへwifiを繋ぎに行かなくてもどうにかインターネットへアクセス可能となったのでリモート勤務も成立、かもしれない。とはいえ、この状況下、自宅でネットを繋いでまで仕事をしなくてはならないキューバ人は少ないように思う。

以前からETECSAエテクサ(キューバの国営電話会社)に対するコメントは、キューバらしいジョークを交えて面白おかしくネット上でアップされているので楽しんで見ているけれど、コロナ対策が始まって以降このETECSAへの苦情や非難が目立つようになった。ネットが繋がりにくい、チャージの残高の減り方がおかしい、深夜の割引料金が適応されているのか怪しい、コロナで皆困っているのに値下げしないのか・・・などなど。なかでもデータ通信の料金がごまかされているのではないか疑惑、についてが面白い。(以下、すべて フェイスブック)

ETECSAの頭文字を使って、「我々は、確実に騙そうと試みております。」

映画の宣伝広告「近日公開、偉大なる詐欺と失われたギガの謎 製作・監督ETECSA」*ギガ=10CUC(約1200円)/1GBの料金プランを指す

「いつ、Tras la huella(ドラマ『痕跡を追って』実際にキューバで起こった事件を題材にした人気の刑事番組、)でETECSAの残高泥棒事件についてやるんだろう?」

で、上の回答?!

「次回 Tras la huella 事件:ギガ」

これらのコメントに対応しているわけではないが、ETECSAが現在のインターネット事情について説明していた記事(2020年5月29日付グランマ新聞)があった。データ通信に関しては、「基地数を増やすなどして、ここ数ヶ月で通信量とスピードともに90%アップした。」としつつも、「もっとも集中する午後9時から10時のアクセス数が通常時に約41万7千(2019年データ)であるのに対し、(外出自粛が続く)現在これよりさらに20万増となっている」から遅くなるのも仕方がない、と。料金については、利用者に納得してもらえる新たな料金プランを設定するとしただけで明確な提示はなかったが「キューバで一般対象のネット接続が開始した2013年6月に4.5CUC(約540円)/1時間だったものが、現在では0.7CUC(約85円)/1時間となり、携帯電話回線料金は2008年に60CUCだったのが、2011年以降は30CUCで現在も同じ料金を保持している」こんなに下がっているじゃないか、と。

携帯電話回線数:610万回線
携帯電話データ通信利用アカウント数:370万
家庭用インターネット回線利用数:16万
3G基地数:1,629
4G基地数:666
*キューバの人口は約1,120万人

キューバでは、どんなことに対してもあれこれ数字を並べて「ほーら、我々は国民のためにこんなに頑張っている、革命万歳!」ともってくのが常道だけど、数字をみたところで改善や改革を実感するは難しい・・・ただここ数年のネット環境向上については、他分野での対応に比べてよく頑張ってるなあ、と個人的には思う。でも世界的なレ改善ベルで見ると確かにまだまだな訳で、これからもETECSAをネタにしたSNS上の書き込みはきっと続く。面白いからこれはこれで楽しみだけれど、コロナを機にインターネットの重要性がより強調されてETECSAがもっと頑張ってくれるに違いない、と信じたい。

ETECSA期待してるよー!

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