ハバナで列車に乗ってみる

キューバに鉄道に列車が登場したのは1837年、世界的にみても早い時期に列車が導入された国であることはあまり知られていないかもしれない。植民地時代サトウキビ栽培の全盛期、その収穫したサトウキビや生産した砂糖を運ぶためにキューバ各地に鉄道が敷設されたそうだ。もちろんそのうち客車も走るようになり、20世紀の前半ぐらいまでは主要な移動手段であったのが、自動車が台頭して道路網が整備されると鉄道の近代化は遅れ、今キューバ全土にある鉄道路線は効率的に稼働しているとは言えない。ハバナ−サンティアゴ・デ・クーバなど地方を結ぶ長距離路線もあるが、頻繁にはなく時間も車より随分とかかってしまう上、故障や遅延も多いため、陸路であれば車での移動の方が一般的だ。

そのためなかなか列車に乗る機会はないのだけれど、ハバナと近郊を結ぶ2路線で列車に乗ったことがある。2年ほど前までは観光客にも人気のハバナ・カサブランカとマタンサスを結ぶ通称ハーシー列車(チョコレートで有名なハーシー社が輸出用砂糖を運搬する列車のために敷設、キューバで唯一電化された路線)に乗ることができたのだけれど、老朽化が進み修復予定とのことで現在運休中。

ハバナ−San José de las Lejas サン・ホセ・デ・ラス・レハス
ハバナから車なら1時間弱、お隣Mayabequeマヤベケ州の州都であるサン・ホセ・デ・ラス・レハス間の列車。列車だと2時間近くかかる。最初のうちは「ディズニーランドの列車みたい!」と楽しいのだけど、同じような車窓の景色に飽きてくるとお尻の痛さが気になる。サン・ホセより先へも行くけれどお試しだけならこの辺りまで。

サン・ホセ駅。ハバナは旧市街にある中央駅(現在修復中)に発着、もちろん途中の駅で乗下車も可能。

ガヤガヤ賑やかな車内。キューバ人たちの旅姿を観察するのも面白い。

ハバナ−Marielマリエル
ハバナと経済開発特区で有名なマリエル港を結ぶ路線。マリエル港からの貨物車の利用が多いようだが、路線に隣接する地域に住む人たちが近距離利用する客車も1日に数本走っている。鉄道好きの友人の息子さんとPunta Bravaプンタ・ブラバ駅まで1時間ほどの距離を乗ってみた。ローカル色いっぱいでなかなか楽しい経験ができる。

革命広場近く、19 de Noviembre駅。ここがハバナの始発、終点。

乗車前に駅舎内で切符を購入。

出発時間になると構内へ入場、自由席。運が良かったのか、ほぼ定時に出発。

ハバナの西隣りアルテミサとの州境近くにあるプンタ・ブラバ駅で下車。ここからハバナへは車で帰った。

こうした列車体験、ハバナから日帰りで往復できる範囲だとこれといった観光地となる目的地もなく、運行している本数が極端に少ないので往復列車に乗るのは難しいかもしれない。でも鉄道マニアや乗り物好きの方はもちろん、世界でも有数の優れた鉄道を持つ国に住む日本人は、遊園地のアトラクション感覚でレトロでいかにもキューバらしいボロさ加減の列車に乗れば、遠足気分を楽しめること間違いなし?!

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