キューバで体験!クラシックカー

キューバ名物、クラシックカー。オープンカーでの市内散策はハバナ観光の目玉となっている。真っ青な海を横目にマレコン通りを風をきって走るのはサイコーに気持ちいいし、コロニアルな街並みを背景にその姿をパシャっと1枚撮ればこれがまた何とも絵になる。

通常、屋根のないコンバーティブルタイプのクラッシックカーは観光客用。目的地まで普通のタクシー同様に利用するのも可能だが、多くの場合はいくつかの名所を巡る市内観光ツアーを提供していて、ドライバー自身がガイドもしてくれる。英語を話しクラシックカーが良く似合う素敵なドライバーも多いし、最近は大型のアメ車を粋に乗りこなす女性ドライバーもいる。車にあまり興味がなくても、セントラルパーク付近に停まっているカラフルなオープンカーを見れば「乗ってみたい!」と思ってしまう。車好きの人ならなおさら・・・何はともあれキューバへ来たからには、見るにつけ乗るにつけクラシックカー体験は必須だ。

ところでキューバの車事情。キューバのクラシックカーとして一般的に思い浮かぶのは大型で派手な印象のアメ車。キューバ革命以前にアメリカから入ってきた1940年代〜50年代のシボレーやフォードなどが多く、これらを「改造」しながら現代まで使い続けている。観光客用のオープンカーの中には元々あった屋根を外して作ったものも多く、モーターも含めてありとあらゆる部品が取り替えられ、なんども塗装し直しているものがほとんど。乗用車や乗合タクシーとして使われているクラシックカーにいたっては本当にこれでよく動くな、という代物で乗り心地の快適さはまず求められないし、扉がパッカーンと開いて危うく放り出されそうになったこともあるくらい。アメリカとの国交が断絶された1961年以後、アメ車の輸入が途絶えてしまってからは旧ソ連車や東欧の車が輸入され、こちらもキューバでは一般的で今でも多く見られる。現在、年間輸入車総数は約5000台と言われているが、多くは国や外交官用の車、そしてレンタカーとなり一般に販売されることはほぼない。だから乗用車の普及率は極めて低く、古い車を大切に修理に修理を重ねて使い続けるしかないし、車を持つのは家を持つより難しい・・・もちろん我が家にも車はない。

こんな感じだから、キューバに暮らしているとクラシックカーは見慣れてしまって、むしろモダンな新車、ほぼ皆無の日本車(大使館の車だったりする)が走っていると「おおっ!」と見てしまう。車好きの息子は、クラシックカーだろうと現代車だろうとお気に入りの車が目に止まると、「見て見て〜カッコイイ!」と喜ぶ。

その息子と一緒に今年の初め、ハバナ旧市街にある『くるま博物館』へ行ってみた。こちらの博物館、以前旧市街にあったものを移転改修中なのだが、昨年ハバナ創立500年に合わせて無理矢理一部がオープンされた。もともとガレージだった建物を利用したものでピカピカに新調されたクラシックカーが並び、パネルには自動車の歴史が展示されている。クラシックカーに関していえば、市内各所で多種多様の車が実際に走っている「青空博物館」に比べたら全然大したことないのだけれど、注目はカミーロ・シエンフエゴスセリア・サンチェスというキューバ革命の英雄2人の所有していた車が展示されていること。1959年、1960年のOldsmobile(オールドスモービル)。どちらも新品同様に修復されているが、車体の色は彼らが使っていた当時と同じ色だという。

カミーロのちょっと珍しい淡い緑、少し意外。

セリアの清潔感ある白、似合い過ぎ。

キューバ革命関連人物の中でも、ピカイチの男前とべっぴんさんと思っているお二人の車がこんなところに保管されているとは知らず。いつも彼らの写真で一緒に映っているのは、いかつい装甲車や戦車ばかり。こんなアメ車のハンドルを握る私服姿を想像して少し嬉しくなった。

Museo del Automovil (くるま博物館)
Calle San Ignacio e/Amargura y Teniente Rey, Plaza Vieja(ビエハ広場)近く。現在も改装中につき、開館日時は不定期

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