キューバ国旗

先日、マタンサス州のあるビルに巨大なキューバ国旗をデザインしたモニュメントができた、という記事を見た。写真を見ると10階建てほどのビルの側面全体を使ってキューバ国旗が描かれている。別の建物の側面には、キューバ革命の発端となった26 de julio(7月26日運動)の旗が同じように建物の壁いっぱいにデザインされ、二つが対になってひとつの作品となっているそうだ。作者は造形作家のJesús Alberto Mederosヘスス・アルベルト・メデロス氏で、長年の構想を実現したとのこと。それぞれの旗の下に描かれている風景は、独立戦争で国家の英雄ホセ・マルティが倒れたドス・リオスと革命戦争の舞台となったシエラマエストラ山脈で、フィデルと愛すべき全ての人たちに捧げる愛と歴史を表現しているそう。バラデロへ行く途中にあるマタンサス市の結構目立つ場所にあるらしいので、いつか近くで見る機会があるかも。

マタンサス市、Jesús Alberto Mederosの作品。Photo by Granma

で、いつも気になっていることなのだけど、キューバの国旗は「縦」使いをすることが多い。学校などの公の場所では国旗掲揚用のポールがちゃんとあって横になびいているのだけど、街でよく見かけるキューバ国旗はベランダや建物の壁に、あるいは道の両側から紐でくくって縦方向で吊るされている。日の丸を縦に掲げることはあまり見ないし、他の国の国旗も横仕様でデザインされているものがほとんどのように思うので、最初は馬鹿でかいキューバ国旗が、縦にベローンと揺れているのにちょっと違和感があった。誰もその理由を説明してくれないので、単に掲揚する竿がないから吊るしとこ、っていうだけかもしれないけれど。

革命広場、有名なチェ・ゲバラ肖像のある内務省の建物に掲げられたキューバ国旗
国会時に掲げられる国旗も縦位置。もう一つの旗はキューバ独立を導いた祖国の父と呼ばれるカルロス・マヌエル・デ・セスペデスが作った国旗、現在は国会の旗としてともに掲げられる

ところで、旗の意味や由来についてはたまに聞かれるので答えられるようにしている。

キューバ国旗はLa Bandera de la Estrella Solitaria(ひとつ星の旗)の名で知られ、第一次キューバ独立戦争の始まった翌年1869年に憲法で国旗として定められた。デザインしたのは、独立戦争以前にキューバをスペインから独立させてアメリカに併合しようと試みたNarciso López(ナルシソ・ロペス)で、実はベネスエラ人。3本の青いラインは当時の東部、中部、西部3つの州、2本の白いラインは独立思想の強固さを象徴する。二等辺三角形は人々の平等、赤い色は自由を欲してみなぎる血、白い星は絶対的な自由と独立を示す。

デザインもさることながら青、赤、白のトリコロールはザ・キューバカラーだ。キューバ代表のスポーツ選手のユニフォームは間違いなくこの色。

ちなみにキューバの国鳥トコロロはこの3色の羽を持つカラフルな鳥

真っ青な空になびくキューバの国旗はすごく絵になっていい。コロニアルな古い建物の壁に吊るされたキューバントリコロールも、思わず写真に納めたくなる。

ビニャーレスで

そういえば我が家にちゃんとしてキューバ国旗がない。子供の手書きの絵じゃなくて、ちゃんとしたのをひとつ(1枚?)手に入れてみようか・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。