先日トリップアドバイザーによって発表された「2023年注目の旅行先」で、キューバが見事1位にランクインした。
https://www.tripadvisor.com/TravelersChoice-Destinations
コロナ禍を経て2022年から少しずつ再び人々が世界を旅するようになり、観光地には活気が戻ってきた。キューバも昨年4月の入国規制緩和後には、海外からの観光客が多く見られるようになって、パッと見はコロナ前と変わらない街の風景だが、パンデミックで世の中の動きが止まっている間に、キューバ国内では色々な変化があった。ありすぎるぐらいに・・・
一番大きいのは通貨が統一されて、かつてのCUC(兌換ペソ)がなくなったこと、それに伴いあらゆる面で様々な影響が出ていることだろう。でもこれに関して観光で数日滞在する人たちに一部始終を説明するのは不可能で、正直ここで暮らす私たちもよくわからなくて、とりえずキューバの通貨は現在CUP(キューバペソ)だけど、ユーロやUSDも様々なところで使えて、つまりはやっぱり複数の通貨を使わなきゃならなくて非常にややこしい、ということを頭に入れておいてください、としか言えない。
一方、コロナ禍で観光客の皆さんにとってよい変化もあった。
ひとつはネット環境が飛躍的に良くなったこと。各家庭にネット環境を設置するよりも、携帯電話のデータ通信を使ったほうが、より簡単で効率的かつ平等に(社会主義においてここが大事!)全国隅々までネット環境を整えることができる、というETECSA=国の戦略が功を奏して、もはやキューバでもインターネットは日常生活の一部となった。人々は何かわからないことがあればググって、テレビの代わりYoutubeを見て、WhatsAppやfacebookなしでは生活できなくなっている。少し前までキューバのネット環境を示す風物詩だった公園やホテルのWifiスポットにたむろう人々の姿は、ほとんど見かけることがなくなった。
ネット環境が良くなったことは観光客の皆さんにとってはありがたいことだし、他の国での旅のスタイルをキューバでも用いることが可能になったのは嬉しいことだ。行きたいところも、見たいものもネットで検索、情報ゲット、チケットも交通手段も全てオンラインでGO!と行きたいところだけれど、まだまだ不完全なところもあるので、アナログ世界に戻ってしまうこともよくある。そこはキューバだから、と現実を受け入れてのんびり根気強く対処しないといけない。
それからハバナに限ってみると、ホテルの新築や改装、公共施設の整備などが行われて美しく快適になった場所も多い。厳しい経済状況の中で観光が何よりの外貨獲得手段であり、国を支える大事な柱であることは明らかだけれど、キューバ人にしてみればまずはapagón(アパゴン=停電)なくして国民の腹を満たせよ、と大規模な観光への投資には批判もあるはず。それでもガンガン新しいホテルを建てまくって、外交でも観光キャンペーンを惜しまないのは、もうそれがこの国に残された唯一の生き残る道、とすがる思いがあるからだろう。
2023年、今年の海外からの観光客数350万人をいう目標を掲げてスタートした。キューバは、「行きたい観光地No.1」ともに「行ってよかった観光地No.1」にもなれるよう、しっかり準備して皆様をお待ちしております。
さあ、みんなでキューバへ!