久しぶりにパナマに帰ってきた週末、車を借りて散歩がてらアマドールに行ったら、新しいミュージアムが出来ていた。

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The Biodiversity Museum 名称Biomuseo バイオダイバーシティミュージアムつまり生物多様性博物館だ。

この独特なデザインは、パナマ人女性と再婚されたというフランク・ゲーリー師匠によるもの。彼の建築物としては中南米大陸で初のものらしい。
建築のことは全然詳しくないのだけど、何年か前に彼のお友達のシドニー・ポラック監督がこの建築家のことをドキュメンタリー映画にしていて、それの予告編を見たことがある。
なんか落書きみたいなスケッチからこんな建物を創りだすんだよ、彼って天才!って予告になってて、そうなんだ。と納得しただけで結局その映画本編は見なかった。
(検索したらyoutubeで丸々その映画がアップされてた。興味ある方はこちらからどーぞ Sketches of Frank Gehry

脱構築主義建築というらしい。
スペインのビルバオにあるグッゲンハイムミュージアムとかLAのディズニーコンサートホールみたいな銀ピカグニャグニャなやつのイメージが強かったので、このパナマの原色板張りみたいなのはすごく新鮮に感じられる。
でもなんというか、素人目にもコンセプトの一貫性と見た目のとらえどころの無さ加減からひと目でその人の作品と分かるのはすごい。

実はこの建物、2004年に着工して当初は2011年には完成するはずだったらしい。
だけど、最初に僕がパナマに来た2012年当時もまだ完成しておらず、2013年に完成するとか言っていたのにそれも叶わず、やっと今年の9月30日にオープンしたそうだ。

週末の日曜日、2014年10月5日にぷらっとアマドールまで行ったついでに出来てたから見てきた、ので、カメラを持っておらずとりあえずiPhoneで撮影したのがこちら。

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外国人はエントリー22ドルパナマ人は12ドル

外国人はエントリー22ドル パナマ人は12ドル

缶ビールが一本57セントで買える国で、このエントリーフィーはかなり高いと言わざるをえないんじゃないでしょうか。
でもまあ、初物だし、とりあえず夫婦二人分払って入る。赤ちゃんは無料。

施設は3つのエリアに分かれていて、メインの北棟と南棟と、それにテンポラリー展示棟があり、入場者は北棟から入るようになっている。
オーディオガイドを渡されて壁に貼られた多様な生物の説明などを見ていくと、すぐに天井の高い暗い部屋に案内され、上下左右前面がスクリーンになっているPANAMARAMAという6分くらいの映像作品を見せてくれる。
パナマ近辺に生息している多種多様な生き物のカットを、上下左右前面にプロジェクタで映すよう編集しました。と言うのが一番わかり易いムービーで、それはとてもきれいにまとまってはいたけど「最新の映像体験!」という感じではない。映像作品としては面白かったんだけど、建物の斬新さからくるコンテンツへの期待値が高かったので、ちょっとだけ裏切られた気分になる。

その部屋の後には地質学的な展示があり、次の石膏動物模型展示に続いている。

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1歳9ヶ月の息子はこの部屋が一番興奮していた。
すでに絶滅した動物から現存するものまで、おそらく実物大で賑やかに展示されている。

この部屋で北棟はおしまい。

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ホールウェイを通り

南棟へ入ると、パナマ運河建設時に発見されたという化石などが数少なく展示されていた。
ここの目玉はメガロドンの歯の実物大模型。
他の場所で何回か見たことあるが、何回見ても人間サイズをゆうに一飲みできる顎のデカさにグッとくる。

それよりも気になったのは床の施工が終わってないんじゃないかと思えるコンクリ打ちっぱなしの半端感。
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コレどうなの?

続く中二階は何も展示されておらず、ベンチがあって本が2冊おいてあるだけだった。

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天才による落書きスケッチが表紙の、この博物館のコンセプトブック。

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このエレベータの後ろががらんどうの中二階。

ずいぶんと見どころのない空間なんだな。と思ってたら最後に博物館の完成予想模型があって、それで南棟はおしまい。
よく見ると完成予想模型も今のがらんどうな内容とはずいぶん異なる立派な中身。
あれ?っと募る不信感。
模型の後はミュージアムショップがあって、ちょっと期待したんだけど、売られている商品がかなりクオリティが低いのに値段がとても高くて残念だった。
建物は最新なのに、ミュージアムショップがしょぼいなんてひどいじゃないか。海洋堂のガチャガチャの爪の垢を煎じて飲ませたい。

その後テンポラリー展示棟で、北海道大学でつぶ貝の研究をしていたという日本語を話すパナマ人の学芸員と会ったので話をきいたところ、さっきのコンクリ打ちっぱなしなところの青い部分には水を入れて魚が入る予定らしいのだが、予算がなくなってまだ出来ないと教えてくれた。
南棟は見切り発車デス。
完成するまであと1年デスって言ってた。

出来てないものを見せてお金集めるんだ!?すごい!
日本人的感覚ではとても許容できないけど、それをやってのけるのがパナマ人!
こういう生物もいますよ、という生物多様性博物館に一番たくさんいたのがパナマ人だったのも納得。

なんつって、22ドルも払ったんでそんな嫌味の一つも言ってみたくなりますが、とりあえず外観は一見の価値ありです。
パナマ運河の入り口にあって、周囲ものどかで散歩にはもってこいなので、パナマにおいでの際は是非!(外から見てみて)

El Biomuseo abre sus puertas al p˙blico el 2 de octubre de 2014.

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あ!違った!一杯人が入ればそれだけ早く完成するのかも!
パナマに来た際は是非お金落としていってあげてね!フランク・ゲーリーも喜ぶよ〜!

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