キューバ産コロナワクチン体験

5月も中旬となったがキューバのコロナ感染状況は相変わらず、新規感染者は連日1000人超えが当たり前になってしまって、重症者数、死亡者数もここ数ヶ月増加している。やはりすでにキューバ全域で確認されている変異種が原因だろうということだ。

ハバナの状況も一向に良くならないのだけれど、ここまで新たに規制強化することはされていない。国民の生活をこれ以上制限することはしないで、もうここはワクチンで一気に解決、というのが政府の方針のようで、5月になってワクチン接種の対象を一般市民にまで拡大、加速して進められている。

キューバ国産のコロナワクチン候補は5種あり、この中でSoberana2とAbdalaの2つが段階的に最も進んでおり、すでにハバナやサンティアゴなどで高齢者や医療従事者を中心に接種され、5月12日からはハバナの4つの地区で一般への接種が始まった。

キューバ産ワクチン5種。Soberana01, Soberana02, SoberanaPlus, Abdala, Mambisa  photo by Gramna

そして先週の土曜日、早くもキューバ産ワクチンを体験!

医療が無償のキューバ、予防医学にも力を入れているのでもちろんこうしたワクチン接種や健康診断も全て無料で受けることができる。なので、コロナワクチンとはいえ接種会場を探したり、予約の仕方を調べたりとこちらから出向いていかなくても、全ては向こうからやってきた。

1ヶ月ほど前に住んでいる地区の保健省担当者がやってきて個人情報やアレルギーについて質問、それらをノートの切れっ端に手描きで記入して提出。

1週間ほど前に接種日時と場所を記した予約票なるものが届く。

予約票。名前と日付以外は読めない・・・

当日、予約時間に接種会場へ。

会場は子供の通う小学校、ピンクの建物が我が家のあるアパートなのでお隣、徒歩1分!

まずは医師による問診と受付、検温と血圧測定。時間も指定されていたこともあり、10名ぐらいずつがまとめて説明と受付を済ませる。

ほぼ青空教室状態の筒抜け建物が問診場所。ソーシャルディスタンスも取られていつもの行列もなく、思いのほかスムーズ

ここでやっぱり手描きの整理番号を書いた紙切れが渡され、接種する部屋へ移動。

53が整理番号、あとは名前と住所と血圧ということらしい

接種担当の看護師は2名、整理番号順に接種していく。チクリと針の痛みすら感じず全く痛くなかった。キューバで何度か注射を受けたことがあるけれど、痛みが少なくいつも「看護師さん上手だなあ」と思う。

Photo:Eduardo Palomares y Germán Veloz, by Gramna

接種後、接種証明カードを受け取り待合室で1時間待機。小学校の子供用の椅子に座って待つこと1時間、何もなければ最後にもう一度血圧を測り、次回の接種日時を確認して終了。

接種証明カード。次回接種時には忘れずに!

私が受けたAbdalaアブダラは3回接種が必要で14日、28日後にそれぞれ2度目、3度目の接種を受けることになる。今回子供への接種はまだ行われておらず、18歳以上の成人が対象となっている。これまでAbdalaアブダラとSoberana02ソベラナ02の接種が進められているが、現時点で重症化したような副反応があったことは報告されていない。

会場に貼ってあったワクチンAbdalaの説明

ところで4月以降一向に感染者数が減らないのにハバナの規制を強化しないでワクチン接種を優先させているのは、ワクチンの劇的な効果を知らしめたいためなんじゃないかと思っている。こーんなにいた感染者がワクチンのおかげで激減しましたよ、と。

何れにしても、これから全国でワクチン接種が進められ8月には全国民免疫獲得を目指すとのこと。そうして世界に先駆け完全コロナフリー国になれたらそれに越したことはない。

今こそキューバ医学の本領発揮、¡Viva Cuba!

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