旬の食べもの、アボカド

7月になるとアボカドが出回り始める。もうこの時期はどこへ行ってもアボカド、どこの食卓にアボカドというほどキューバで今が旬、ポピュラーな食べ物だ。野菜が少ないキューバの食生活で、この時期手に入りやすく好きなだけ食べられるのが嬉しい。まだまだ旬のマンゴーと合わせて夏の好物だ。マンゴーはあと1ヶ月、8月末ぐらいまでだけれど、アボカドは10月ぐらいまで楽しむことができる。

旬にキューバを訪れたら、必ず一度は目にして口にするチャンスはあるけれど、見た目があまりに違うから街で売っているのを見てわかる人はまずいないしアボカドと知って驚く人も多い。それほどキューバのアボカドは、日本で知られているそれと違う。

日本でも最近は栄養価の高い野菜として注目され普通にスーパーで手に入るようになったが、多くはメキシコ産またはチリ産であるはずだ。鶏卵より2回りぐらい大きくて黒っぽい深い緑のゴツゴツした少し厚めの皮、大きな種、黄緑色のクリーミーで濃厚な身のものがアボカドと認識されているんじゃないだろうか。

でもキューバのアボカドは違う。

これは長細いタイプ。かなりの大きさになる。

まずデカい。いくつか種類があるので大きさも様々だが、小さいものでもソフトボールより少し大きいぐらい、大きいものだと長径が25cmほどになる。そして皮は艶やかな緑色でゴツゴツしていない。中には少し紫がかったものもある。皮が薄いので種に垂直に切れ目を入れて切り離した後は、ペロリと手で剥くことができる。

真ん中に大きな種。この種が少し動くのが感じられるようになったら食べ頃。

味は黄色味の濃い緑、日本でお馴染みのものよりさっぱりして水々しいものが多く、種類によってはもう少し濃厚なものもあるが、ネチョっと感はない。食べ方はいたってシンプル、特に他の具材と合わせることもなく塩とあればレモンをかけてサラダで食べる。お隣の国、メキシコのようにワカモレ(塩・ニンニクなど調味料を混ぜたディップ)にすることもない。

家の庭にもアボカド。

10年以上前にこのアボカドの種を日本へ持ち帰って植えてみたことがある。意外に簡単に芽は出て育ったが、寒さに弱いので冬の間は部屋に入れたりビニールで囲って防寒したりで何度か冬も越した。植木鉢だったのでそれほど大きくはならなかったけれど、日本でも実家のある静岡のように暖かいところだと実をつけることも可能だとか。最近は四国など日本でもアボカド栽培をしているところがあると聞く。

ちなみにアボカドは桃栗3年柿8年の柿と同じく8年ぐらいしないと実をつけないらしい。キューバのアボカドの木は高さ10m以上に育ち、ワサワサと実が沢山なっているのは壮観だ。大きな木だと1シーズンに200〜300個ほど熟すというから凄い。

我が家の食卓にもこれからしばらく、毎日アボカド。キューバで感じる数少ない旬をいただきます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。