Día de Educadores:教育者の日

キューバの公式な祝祭日は少ない(年間6日前後)が、毎日のように「今日は何々の日」といった具合に国際的な日含めて記念日が多い。

そして12月22日は「Día de Educadores=教育者の日」

先生たちに感謝しましょう、という日だ。国民の教育はキューバ革命の重要な柱、1959年に革命軍が勝利してすぐに着手した政策のひとつがCampaña de Alfabetización=識字運動。革命前は貧困層の子供たちは学校へ行くことができず、特に地方の農業従事者などの多くは読み書きができなかった。革命後、政府は国民教育のためにまずは識字率の上昇が必要とし、キューバ全土で大々的な運動を展開した。小中学校を増設し全ての子供たちが学校教育を受ける体制を整えたのはもちろん、大人たちのため教師を地方の農村や山間部の集落にまで派遣し、読み書きを集中的に教えた。これによって2年ほどでキューバの識字率は96%にまでアップした。そしてフィデル・カストロがキャンペーンの成功を宣言したのが1961年12月22日。このことから12月22日が「教育者の日」となり、毎年教育従事者の労をねぎらうようになったのだ。

1961年12月22日、識字運動の成功宣言をするフィデル photo by EcuRed

現在この日は学校では色々なアクティビティーがあり、生徒たちは先生に感謝の意を示す。その感謝の意の示し方が少々悩ましい。というのも、いつ頃からの習慣か知らないが小中学校では生徒が、正確にいうと生徒の保護者が、先生にプレゼントを贈ることになっている。子供の担任の先生、授業担当の先生のほか、事務室の先生にまで「ちょっとした贈り物」を準備しなければならない。小学校の場合、女性の先生がほとんどなので実用的なシャンプーや石鹸、香水から、ハンカチやポーチなどの小物といったものを送る。この日が近づくと先生の贈り物用のこうした品物が店に多く並び、街中で売られていたりして一大イベントだ。先生たちもこれを楽しみにしていて、この日は朝からニコニコ嬉しそうに教室の机の上を綺麗にして贈り物が届くのを待っている。こうやって書くといやらしいが、教師の給与は決して高くもなく決して待遇も良くない。そんな先生たちのモチベーションアップのために欠かせない習慣だと、最初の年に説明された。

時々日本語を教える近所の子供からもらったプレゼント、グラシアス!

了解。でもなぜ悩ましかというと、物不足のキューバで贈って嬉しい品物がほとんど存在しないからだ。それにキューバ人的プレゼントのセンスがイマイチ理解できない。だから、ごめんなさい、私にはできませんと先生の日のプレゼント準備は夫に任せることにしている。

通常だとこの日が年末年始休み前の最終日となり、保護者も出席して先生を囲んで軽食をとってチャンチャンと終わるのだけど、今年の12月22日は違った。コロナの影響で7ヶ月の長期休暇のあと2ヶ月遅れで新年度が始まったわけで、さすがに貴重な授業日を減らすわけにもいかず、12月24日まで通常授業で「先生の日」のアクティビティーもなし。もちろんこの日は大事な「教育者の日」ではあるので各地で色々な行事が行われたり、個人的に先生へ「ありがとう」を言ったりはしただろうけれど例年の盛り上がりはなく、先生へのあからさまなプレゼント贈呈も少なくともウチの子供の学校では見られなかった。

先生たちには申し訳ないけれど、コロナ禍で物不足+通貨統合政策で物価の上昇と何かと厳しい今日この頃、先生も保護者たちも残念ではあるけど仕方ないと思っていることだろう。

でも感謝の気持ちは贈りましょ。Gracias, maestra!! 先生、ありがとう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。