キューバ、のりものいろいろ

のりものが好きだ。

自転車、自動車、列車、飛行機、船、一般的な移動の手段であるものならなんでも、そして遊園地のアトラクションも観光地のロープウェイも。旅先でも移動の際にはできるだけ色々な移動手段を使うように日程を組んで、街中で面白い乗り物に遭遇したら試してみる。

のりものは楽しい。

キューバでそんなのりものフェチの欲求を満たしてくれるのは、古い年季の入ったのりもの達。まずはなんてたって名物のクラシックカー。観光客を乗せて走るオープンカータイプのアメ車タクシーは、キューバへ来たからにはとりあえず試してもらいたい。なんだかんだ言ってテンション上がること間違いなし!

カラフルな車が並ぶ革命広場の駐車場

その他にもキューバを走る車は、好きな人にはたまらない旧車ばかり。大きくていかにも燃費の悪そうな現地でAlmendrón(アルメンドロン=大きなアーモンド)と呼ばれるアメ車の多くは、Máquina(マキナ)という個人経営の乗合タクシーとして利用されている。大まかなルートが決まっているが、好きなところで乗り降りすることができ1区間15ペソ(約60円)から。

旧車ではないけれど、観光客にも人気なのがココタクシー。ココナツのような丸い形の車体が特徴の原付の後ろに客席をつけたもので、走る姿もかわいらしい。乗り心地はともかく風を切って走るのはオープンカーと同じ、マレコンあたりをビューンとゆくのがオススメ。

マレコンをゆくココタクシー

一般市民の足となる公共交通は、ハバナの場合バスやRutero(ルテロ)と呼ばれる乗合タクシー。ある程度路線を知っていて行き先の場所がわからないと利用がちょっと難しい。バスは1回2ペソ(約8円)、Rutero は1区間5ペソ(約20円)で最大3区間で15ペソ(約60円)。

そして1年ほど前にハバナ旧市街とセントロハバナの狭い地域限定で、原付の後ろに6人乗れる台車を引っ付けたのりものが登場した。こちらもルートが決まっていて、1回4ペソ(約16円)道の狭い旧市街の中もいくつかの路線が通っている。電気バイクを使ったエコカーで、ドライバーは全て女性というのが特徴。こちら未経験なので一度乗ってみたいのだけど、そういえばなんて呼ばれているのかも知らない・・・

新登場のエコタクシー

それからハバナでは特に旧市街とセントロハバナに多く身近な足となっているのが、ビシタクシーという自転車タクシー。自転車を改造して後部に二人乗りの座席をつけたものだけど、それぞれ細かい仕様はアレンジ無限、あり合わせの部品の組み合わせや持ち主の個性が出ていて面白い。一生懸命こいでくれるドライバーの背中を見てると思わず「頑張れー!」と声を掛けたくなる。歩くのとはちょっと違った視線で街が見えるので、観光中に一度乗ってみるのもいい。

ビシタクシー、どこでも気軽に止めて乗ることができる。行く先を決めて料金は事前に交渉

馬車が活躍しているところもまだまだ多い。そういえばコロナで見かけなくなったのですっかり忘れていたけれど、旧市街には観光客を乗せて走る馬車があったっけ。そしてハバナの郊外、と言っても旧市街から車で10分の我が家の近所でも、馬車に乗ってゆく人を見かける。またオリエンテ(東部)のバヤモは街中に馬車が多いことから「馬車のまち」と呼ばれているし、他の街でも馬車が立派な交通手段のところはたくさんある。

バラコアの街をゆく馬車

キューバの鉄道もとんでもなくレトロだ。キューバは世界的にも早い時期に鉄道が敷設されたことで知られ全国に路線はあるけれど、まともに機能していないところも多く主要な移動手段とはなっていない。ハバナ近郊で乗れる列車トリニダの郊外で乗れる観光列車については以前このブログでも書いた。そんな鉄道だが数年前から、外国の援助で一新させようという話が出ては消えている。もしくは計画は継続しているのかもしれないけれど、一向に進んだ話は聞かない。車両だけは中国から新しいものが一昨年導入されて、なかなか快適そうな映像をニュースで見たけれどすぐにコロナになってしまって、現在運休中・・・コロナ明けにはこれも試さないと!

あとは船。キューバ人、実は船に乗るのが大変。島国キューバ、飛行機でなければ船で「島の外」へ行くしかないのだが、船をハイジャックして亡命する恐れがあるからとかで限られた公共路線しか存在しないし、これに乗るのもなかなか厳しい。ちなみに観光客を楽しませてくれるビーチリゾートのカタマラン船クルーズなどのほとんどが、キューバ人は利用できない。で、ハバナで船といえば旧市街から対岸のカサブランカ地区を結ぶLanchita(ランチータ=小さな船)がある。カサブランカ地区にはカバーニャ要塞、チェ・ゲバラ邸、モロ要塞と見所も多いので、往復どちらかをこの小舟を使って行ってみるのも面白い。

旧市街からカサブランカ地区へ向かうLanchita、自転車もOK座席はなくたって乗船

他にもバス以外の長距離移動に使われるCamion(カミオン=トラック改造して荷台に椅子をつけたもの)、地方のカーニバルで乗った二人乗り自転車やハバナの植物園のトラクター改造した園内見学の車とか・・・キューバ人のお得意Invento(インベント=でっち上げ?!)がのりものにも存分に活かされているのが楽しい。

キューバののりもの、まだまだ乗り足りない!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。