なんだかキューバが騒がしい

日曜の午後、サッカーのヨーロッパ選手権決勝戦をまったりと見ていたら突然、ディアス・カネル大統領から重要な発表があるとテレビの画面が切り替わった。最近のコロナ感染者数急増にともなって規制強化でもあるのかと思って見ていたら、なんだかもっとヤバそうな方向へ話がいく。なんでもハバナのお隣アルテミサ州の街で大きな反政府デモが起こってすぐに大統領自ら現場へ行って現状確認、とんぼ返りしてテレビでの演説となったようで少なからず興奮した様子の話ぶりだった。

アルテミサ州サン・アントニオ・デ・ロス・バーニョスを視察中のディアル・カネル大統領 photo by Granma

演説の内容は、国民に向かって反政府運動の元凶はアメリカのキューバ制裁にあり、今こそ革命精神を発揮して街に出て結集しよう、的なもので、今回は状況がシビアなこともありより厳しい口調と表現ではあったものの何かあるたびに政府が発信する内容とさほど変わりはなかったように思う。この大統領発言の後、革命支持の政府擁護の人たちも街へ出てパフォーマンスが行われたようで、キューバの夜のニュースではこちらが映し出された。

政府側に立つ人たちも街へ photo by Gramna

実際にはその頃ハバナのカピトリオ周辺、セントロハバナあたりでは多くの人が通りに出て一部暴動もあり、そこら中の道路が閉鎖されていた。ハバナだけでなく地方都市でも同じような行動があったという。だが幸い私の住んでいる地区はいたって静かで、実はこれらについて翌日報道された海外の記事と写真をネットで見て驚いたぐらい。

カピトリオ前での抗議行動の様子 photo by BBC News

アメリカの経済封鎖+コロナでキューバの現状は確かにひどい。

今回のデモ行為の原因は中でも食糧、電力不足に対する不満が爆発したことによるというようなことが報道されている。加えてコロナの感染爆発、医療品の不足が深刻な状況に拍車をかけているのは否定できない。キューバ政府としてはこれら「すべてをアメリカの制裁のせい」にし、アメリカとしては「独裁政権と人権迫害がある限り制裁は解けない」とする、もう何十年も続けられてきた応酬の繰り返し。

正直、またか、と思ってしまう部分もある。それでも今回のこれをきっかけに何かが、良い方向へ動くことを期待して・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。