キューバのアスリートたち、TOKIOへ!

東京オリンピックがいよいよ来週から始まる。

コロナの影響で1年延期、その原因となったコロナはいまだに収束が見えない状態で、世界中国境を超えた移動すらままならないこの状況で、まさかやらないだろう、いやもしかしてやる気か、こうなったらやるんだろうな、とここまできて現実味を帯びてきたオリンピックTOKIO2020。

キューバの選手たちも先日革命広場で壮行会を行い7月14日、日本へ発った。

壮行会での様子 Photo by Granma

キューバはスポーツが盛んなことで有名だ。スポーツを楽しむことが国民の権利であるとして、国を挙げてスポーツの振興、選手の育成に取り組んでいる。オリンピックへも多くの選手を送り出し、これまでも素晴らしい成績を上げてきた。夏季オリンピック歴代メダル獲得数を見ると全体で226個、うち金メダル78個は世界16位。ボクシングがダントツで多くのメダルを獲得しているが、他にも野球や女子バレー、柔道、レスリング、陸上などでもキューバの選手の活躍が目立つことを記憶している人も多いだろう。

キューバのオリンピックメダル獲得数、青:金、濃赤:銀、赤:銅 by Granma

オリンピックは世界的にも最高位にあるスポーツの祭典で日本でもそう認識されているが、実際のところその成績上位にある国、毎回多くの選手を送り込んでくる国を見ると、偏った地域と国でのみで盛り上がるイベントであることに気付く。いわゆる後進国といわれる国ではオリンピックが何であるかすら知らない人も多い、というのを南米で知り驚いた。オリンピックが開催中であっても人々は全く関心がなく、テレビ中継もなければ全然盛り上がらないのだ。

それを知った後、キューバでオリンピックイヤーを体験し「おおっ、盛り上がってる!」と感動したことを覚えている。テレビ中継は再放送含め24時間、自国の選手が出ていなくても人気がないスポーツでも、あらゆる種目、選手の活躍を放映する。パラリンピックも全て。テレビでスポーツを観戦してこれだけ盛り上がる人たちはいない、というほどキューバ人たちは画面の前で熱狂する。自国の選手が活躍すればなおさらだ。

今回東京オリンピックへは16種69名の選手(パラリンピック14名)が参加する。種目でいうと陸上、ボクシング、レスリング、柔道と個人競技での参加が目立つ。メダルが期待されるのはやはりボクシング、そしてレスリングのMijaín Lópezミハイン・ロペスが4大会連続で金メダル獲得するか、といったところが注目されている。陸上では先日の世界リレー選手権で金メダルを獲得した女子4×400mリレーチームが楽しみ。

4つ目の金メダルなるか、Mijaín López ミハイン・ロペス! photo by Cubadebate
5月の世界リレーで金メダルした彼女たちの活躍にも期待!photo by Granma

ところで今回一番残念で、一番驚いたのは野球が参加を逃してしまったことだ。そしていわゆるチームで競う団体競技の参加がない。これは最近のキューバのスポーツ界の特徴を示しているようにも思う。国の体制上、プロが存在しないキューバではスポーツで活躍して栄誉と名声は得られても、儲けにはならない。海外のプロスポーツ選手の生活ぶりを知れば、たとえお金のためだけではないにしろ、亡命してまでも海外でやってみたいという選手の気持ちは十分に理解できる。残念だけど優秀な選手が外へ行ってしまうのを止めることはできない。

ハバナの空港から日本へ立つ選手たち。おそろいのバックにはカタカナで「キューバ」の文字が!photo by Granma

今回、キューバの国旗を背負ってトーキョー出陣のSamurai Cubanos=キューバのサムライたち、コロナ禍決して正常ではない状態での大会だけど頑張れー!テレビで応援してるよーーー!!

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