キューバのコロナ近況 2021.7

前回キューバのコロナ近況について書いた1ヶ月ちょっと前、なかなか減らない感染者を危惧しつつ、ハバナではワクチン接種が進んで少しずつ効果が出てきているんじゃないかと希望的観測をしていた。

が、感染爆発は止まらなかった。

1000人単位で感染者が増え続け、前日の倍増近くというとんでもない勢いの日もあってここ10日間は連日6,000人超え。そして7月21日には前日から1,000人以上増の7,745人!翌日はさらに増えて記録更新。

2021年7月22日23時59分現在の感染状況:新規感染者7,784名(ハバナ1,357名)、現状陽性者37,435名、累計感染者316,383名、累計回復者276,689名、累計死亡者数2,203名

もう全国的に感染拡大しているのだけれど、特に深刻なのがキューバ最大のビーチリゾート、バラデロのあるマタンサス州だ。バラデロは現在でも観光客を受け入れているのだが、例の感染力が強いとされる変異株が海外から持ち込まれ、このマタンサス州から広がったというのがもっぱらの噂。真相はともあれもう爆発しちゃっているのだから、なんとか食い止めないといけないんだろうけれど、これまで以上に市民の生活に直接影響のあるような規制や制限などは今も出されていない。ハバナでも公共交通や公共機関、一般の経済活動は機能している。ただ、もう極力外出は控えて用事がない限りバスにも乗らないけれど・・・

一方でワクチン接種は進んでいる。全国民の20%以上が接種完了。Photo by Cubadebate

加えて先日の7.11事件。キューバではあれが国民による正当な「デモ」であったという言い方は避けるようになって、「7月11日の騒動」といった感じの表現を使うようになっている。事件から数日後は、他にも小さな集会があったりしたようだが、すぐ街にはいつもと変わらぬ風景が戻った。国内のメディアではあの日のことをあれこれ検証したり、海外での報道やSNSで拡散されたフェイクニュースを暴いたりして、国民に「正しいこと」を伝えようとしている。実際にこうした写真や動画も多少は見たけれど、どれがどこまで真実なのかは結局のところよくわからないし、明らかな嘘がたくさんあることも確かで、渦中にいる者としては他人の生活はほっといてよ、と静かで平和な生活を望むのみ。

といっても、キューバはキューバ。日常とはつまり日々の戦いの繰り返し。

買い物するのに行列は必須

今日も朝から買い出しの行列に並び、ご近所さんとコーヒー飲みながら厳しい現実に言ったところで何も解決しない愚痴をたれ、日陰を探して公園wifiでネット繋いでひと仕事、たとえ30分でもと息子を机に向かわせる無駄な努力をしているうちに、チキンとひき肉と卵とソーセージという限られた材料から献立を考え夕食を準備しないと。加えて洗濯機が壊れてしまっているのが、目下我が家で最大の解決すべき問題で、そのためにあらゆる知人友人に「洗濯機なおしてくれる人はいないか?」と電話をかけまくる・・・

あっという間に1日が終わる。毎日家からこんなに素敵な夕日が見られるのがせめてもの救い

キューバ生活は特に何かがなくても、いつもなんだか騒がしい。コロナもデモも心配だけど、今日という日を一人一人が生き抜くために、構っちゃられないこともある。

とはいえ、最低限の感染予防はしないとね。

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