コロナだけじゃない、キューバの感染病予防

コロナ予防対策については、もう嫌という程ここ半年近く耳にしてやってきた。その中には独特の医療体制を持つキューバ独自のものもあって、ひとつがPesquisaペスキサと呼ばれる徹底的な感染発見のための調査で、具体的には各家庭を訪問しての健康状態をチェックするシステムだ。最近は回数が減ったけれど、コロナ感染が拡大していた頃はほぼ毎日のように医学生によるペスキサがあった。でもこれは以前からあったもので、特に目新しくもない。亜熱帯にあるキューバではほぼ1年中蚊がいて、デング熱、チクングニヤ熱、ジカ熱といった蚊を介して感染する病気に注意しなければならない。特にデング熱は年間通してしょっちゅうといっていいほどあちこちで流行っているので、その集団感染が確認された時などは拡大防止のために、ペスキサが実施され

「熱のある人いませんかー?」

「下痢してる人いませんかー?」

「デング熱流行ってるんで気をつけてねー」

と各家庭を訪問するというわけ。

グランマ新聞記事より

蚊を介する病気がどうやって感染拡大するかイマイチよくわかっていなかったのだけれど、人→人感染はないが、人→蚊感染はあるので病気になった人を刺した蚊が別の人を刺すと感染する可能性がある、というわけで感染した人が感染源の蚊を増やさないように隔離政策がとられるわけだ。これがまた徹底していて発熱や下痢の症状があってデング熱などに感染の疑いがある人も、即入院して隔離。デング熱の場合、検査をして病気が確定できるのは症状が出て6日目ぐらいだそうで、感染病専門病棟で最低1週間はお世話にならなければならない。特に子供の場合に発熱&下痢のダブル症状があるとすぐに何らかの感染病が疑われて、否応なしに即日入院となる。これで息子もすでに過去2回の入院経験があるが、付き添いの親は、デング熱の疑いのある子供たちばかりが入院する病棟の1室で一緒に寝泊まりしなければならないという無茶苦茶リスクの高いサバイバルを余儀無くされる。ちなみに息子はいずれもデング熱ではなく、2日目にはケロっとしているような状態だったがどんなに頼んでも退院させてはくれなかった。

こんな感じなのでコロナでも感染の疑いのある人、感染者と接触した人もすべて隔離施設へ入れられることは大げさとも感じず当然の措置と思われた。

それからもちろん病気を運ぶ蚊そのものを退治することも大事なので、特に夏場は蚊撲滅キャンペーンを掲げてFumigaciónフミガシオンがあちこちで大々的に実施される。

なんだそれ、 フミガシオン?!

は以前記事にした通り、殺虫剤の煙を撒き散らして燻蒸すること。近所でデング熱患者が出たとかで、そのフミガシオンがここ3日間連続で我が家の建物で行われた。

ぼぼぼぼぼおおーーーー!

と、いう噴射音が徐々に近づいてきて、殺虫剤の匂いが漂ってくると順番は近い。急いで部屋の中の洗濯物をバスタオルやシーツで包み、台所の食べ物はとりあえず冷蔵庫に突っ込み、食器やなんかも布や新聞紙で覆い、窓はきっちり締めて準備完了。

台所はこんな感じ。

フミガシオンのバキューム砲を持ったおじさんがきたら、部屋中に思いっきり煙を発射してもらう。

フミガシオンのバズーカ砲!
見る見る間に部屋中が煙でいっぱいになる。

で、人は皆追い出されて建物の外で待つこと30〜40分、そして部屋に戻ると床が油っぽくヌルヌルになっているので、モップでざっとお掃除が待っている。

人騒がせなフミガシオン、その効果は抜群?とは言い難くゴキブリは確かに駆除されるのだけれど、蚊は・・・その場にいないと殺されないからね。夕方にはフワフワとどこからともなくやってきて今夜もひとつ、ふたつ刺される覚悟で眠りにつくのだった・・・

団地の中にあるフミガシオン部隊の基地『病気媒体となる害虫駆除と戦う部署』

2 Replies to “コロナだけじゃない、キューバの感染病予防”

    1. 最近、蚊は少ないのだけれど、我が家には夜になると「蛾」がわんさか入ってくるんで、どうでしょう??!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。