2021年、キューバは変わる

2021年が明けた。

キューバでも1月1日はもちろん新年の始まりであるのだけれど、「革命勝利の日」という大事な祝日でもある。

1959年1月1日、当時のフルヘンシオ・バチスタ大統領が海外へ逃亡しキューバ革命軍の勝利が決まった日。この日から現在までキューバの革命は続いているという認識があるので、キューバでは西暦とともに革命勝利の年から数えて〇〇年という呼び方がある。つまり今年はAño 63 de la Revolución 革命63年。

新聞の日付も西暦と革命〇〇年が併記されている。ちなみに年が明けて新聞代金も5倍になったのに注目!20セントから1ペソへ

そして2021年1月1日はキューバにとって大きな改革が始まる特別な日、人々はXデーならぬ0(ゼロ)デーと呼ぶ日がついにやってきたわけだ。これまでにも何度か触れたように、キューバに流通する二つの通貨、CUCとCUPが統合されて、今後はCUP(キューバペソ)のみが流通することになる。

CUP紙幣にはキューバの英雄たちの肖像画のアップ、人気のチェ・ゲバラ3ペソ札もお手軽に入手できるようになる?!

そして同時に大規模な経済改革が1月1日から実施される。中でも大きいのが国家公務員の給与改革で月給が5倍になるのに従って、これまでの公共料金や配給品などのCUP価格がほぼ5倍になった。そのほかの品物も社会主義体制のキューバでは多くの価格は国が決めるのだけど、個人経営の店も存在するわけでそういったところでは必要以上の値上げ、いわゆる便乗値上げがすでに横行している。その上がり方が半端ではないので驚く。

これまでもキューバの物価は決して安くはなかった。社会主義で教育と医療が無料で、配給制度があって生活が保障されているとはいっても、本当に生活していく上で必要な物資を手に入れて生活するためには、それなりの出費が必要だ。キューバを訪れた人ならわかると思うけれど、近隣の中南米諸国と比べてもホテル代金、飲食費、タクシー代金など相当高くつく。決して旅行者に対してだけでなく、現地で生活する者にとっても公共料金や生鮮食料品の一部を除く物価は日本のそれと変わらなかったり、それ以上だったりする。

バスの料金も1月1日から上がった。40セント=1.8円だったのが、ぴったり5倍の2CUP=約9円。それでも格安だけど・・・

それなのに今回の値上げ。

最近のニュースや人々の関心はコロナの感染者数の増加よりも、もっぱらこの「値上げ」情報。急に変化がありすぎて色々な噂や間違った情報も飛び交っているけれど、もう始まってしまったからには、必要な時がきたらその都度情報を入手するしかなさそうだ。 今後の混乱が「多少」で済んでくれることを祈るしかないが、それより何より私の頭の中の計算機が早いところCUPに慣れてもらわないと困る。これまで2つの通貨でお札も2種類でややこしかったのは解消されたものの、まだ料金を言われても全くピンとこなくて買い物しても「はて、こんなもんだっけ?」と戸惑っていてはいかんよなー。

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