本の国際見本市―Feria internacional del libro en La Habana

毎年2月に行われる本の国際見本市、ハバナで年に一番賑わうイベントのひとつと言っていい。本年度は2月7日から17日まで開催、ハバナを皮切りにその後全国各都市を巡回する。

メイン会場は観光スポットとしても知られるハバナ湾に面したカバーニャ要塞、世界遺産にも指定されている要塞の中が期間中多くの人でごった返す。この盛況ぶりが半端なく、観光客たちは一体何事かと驚くほどだ。要塞の中だけでなく、要塞周辺の空き地や駐車場にも食べ物の屋台が出たり、子供の遊具や移動遊園地が出現したりして、遠目にも何やら面白いことをやっていることがうかがわれる。

移動遊園地も登場!遠目にもなにやら楽しそう。

乗用車を持つ人が少ないキューバ人たちの移動手段はバス。通常の路線バスに加えて、ハバナ市街中心地からは無料シャトルバスも出ていて、それらを利用して会場へ到着、バス停から歩いて会場入り口までゾロゾロ移動、チケットを買うのに長蛇の列・・・。毎度お馴染みの風景。

入場口前の人の波。食べ物の屋台を覗きながら歩くのも楽しい。
要塞のお堀もご覧の通り。

この混雑が嫌なのだけれど、我が家からバス停ひとつのご近所でもあるし毎年1度は足を運んでいる。今年も息子と二人で週末の土曜日に訪れた。平日でも大概な人なのに週末、最終日近くとなるととんでもない人、人、人。息子は遊具や食べ物には大して興味を示さず(ホッ!)、友達が「Feria で買った」と言って見せびらかしていたオモチャを探している模様。前日には父親と行き、3Dメガネをかけて見ると飛び出す恐竜の絵本を買ってきた。去年も恐竜本だったような・・・まだブームは続いているのか。結局お目当てのオモチャは見つからなかったので、もう1冊恐竜フィギィアのおまけがついた雑誌を買った。雑誌はいらんのだろうけど。

子供向けの本、グッズが多く親たちには悩ましい?!

私も少しは本を見ようといくつかのセクションをのぞいた。最近はスペイン語の本を読む時間はあまりないのが残念だけれど、本をあれこれ物色するのはやっぱりいい。

フィデルの本もたくさん。こちらは去年の様子。

見本市で売られているのはキューバ国営の出版会社が出版する本=人民ペソ支払い、と各国の輸入本=CUC(兌換ペソ)支払いがある。残念ながら読書の習慣があまりない中南米において、キューバ人はよく活字を読む。本も自国でちゃんと出版して販売、しかも激安。1冊10ペソ(約40円)以下が普通で、辞書やちょっとボリュームのある本でもせいぜい20ペソ(約80円)ほど、平等主義という体制のもと、誰にでも手にすることができる価格に設定されている。キューバ革命直後、フィデルらが行った識字率向上運動の成果、現在も識字率は98%以上と先進国並みであり教育水準も高いといわれるが、読書の大切さを国民に浸透させようという意図がこの国をあげて行われるイベントを見てもわかる。

「読むことは育むこと」

といっても、見本市に皆が集まるのは必ずしも「本」目的ではなく、娯楽の少ないキューバにおいてみんなでお出かけするにはもってこいの場所だから、というのも大きいのだけど。

何はともあれ、2月はFeria(見本市)の月、今年も大盛況に終わったのでした。

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