ハバナで話題のレストラン、Doña Alicia(ドニャ・アリシア)

キューバには飲食店でも国営のもの、民営のものがあって民営レストランをParadar(パラダール)と呼ぶ。と言ってもの看板に「Paradar」と掲げている店はほとんどないし、国営のレストランも「うちは国営」とうたって商売はしていないので、これらをパッと見て見分けるには難しい。一概には言えないけれど、裏通りや不便な場所にあって規模が比較的小さく内装が今風でお洒落なのはパラダール、広場や観光客のよく通る道に面した大きめのコロニアルな建物を使いキャパも多めなのだけど、内装はイマイチセンスなく古めかしいのが国営レストラン、といったところか。料理の質やサービスは間違いなくパラダールの方が良い。

ところで少し前から気になっていたパラダールがあった。

セントロハバナ、Sagrada Corazón de Jesús(サグラダ・コラソン・デ・ヘスス)教会の数件隣、時間や曜日関係なく午後はいつも店の前に多くの人が待っている店Doña Alicia(ドニャ・アリシア)。客のほぼ100%がキューバ人。

お店の看板。アリシアおばさんは実在した方らしい。

最近はパラダールも観光客だけのものではなくて、「ちょっと外食でもしようか」とキューバ人達が足を運ぶような店が増えたように思う。食に対して冒険をしないキューバ人、人気なのは安くてがっつりキューバ料理を食べられる店。

だからこの連日大賑わいのレストランもきっとそういう店だろうと思い、夫を誘って先日平日の昼間に行ってみた。12時ちょうどに到着、幸いまだ店内は空席があってすぐに案内され着席。

座ってすぐに驚いたのは、各テーブルに備え付けられたタブレット。なんとタッチパネルにメニューが提示され、オーダー、お会計と全てできるシステム。

表示はスペイン語だけど写真があるから、言葉がわからなくても安心。

「日本の居酒屋か回転寿司じゃん!!!!」

ワクワクしながらパネルをタッチしてメニュー拝見。一般的なキューバ料理に加え、キューバ人が大好きなピザとパスタから甘いデザートまで種類も豊富だった。各メニューはもちろん写真付きで、人気度数が星で表示、本日提供できないものは「只今できません」とはっきり表示。これは観光客にもありがたい。料金は旧市街のパラダールより若干安め、比較的良心的。料理のボリュームはびっくりするほど多くないけれど、味はザ・キューバ料理。副菜もささやかな野菜に揚げ物で決まり。盛り付けはちょっとカフェ風でよろしかった。

キューバ料理をカフェ風に盛り付けるとこうなる。

 

数日後。夫と二人でDoña Aliciaへ行ったことが子供にバレてしまい、同じ週の土曜日ランチもこちらですることになった。

「週末だし、すごい待たされるんだろうなあ。」

と覚悟して向かいいざ行列へ。先日は並ばなかったので気がつかなかったが、ドアマンがちゃんと名前と人数をきいてチェックし、順番に案内してくれるようなっていた。しかもこの順番待ちをしている人たちの名前リストが外の大きなディスプレイパネルに表示され、おおよその待ち時間も予想できた。またこのディスプレーにはメニューも順次表示されて待ち時間を飽きさせない。

いつも店の前には大勢の人が待ってる。

さらに先日は店内手前の席だったので気が付かなかったけど、店の中央を仕切る壁付近には小さな子が遊ぶスペースが設けられていて、親達は店内を駆けまわる子供を野放しにしなくてすむ。

トイレも自動で電気がつくし(いつものように電気を探してしまい店員さんに教えられた。うちの子も「電気がなーい!」と言って戻ってきた)、手を乾かすドライヤーも設置されているし(これは最新のパラダールには時々ある)。

すごーいなキューバ、いつの間にか日本並みのサービスが導入されている(むちゃくちゃピンポイントだけど・・・)

うちの子は生まれた時からタッチパネルのある時代の子なので、席に着くなりパネルを操作、キューバで日本の回転寿司と同じようにオーダーできると知って大喜び。そしてこそって聞いてきた。

「ねえ、どうやってでてくるの?回ってくる?」

さすがにまだ回転マシーンは導入されていない。

内装はファミレス風?

料理の味はまずまず、正当なキューバ料理。でも人気の秘密はキューバ初のサイバーレストランだからだと知って納得。しばらくは混雑するだろうな。

 

Doña Alicia

住所:Ave.Salvador Allende(Carlos Ⅲ)esq.Padre Varela(Balascoaín), Centro Habana、サグラダ・コラソン教会近く

営業時間:12:00-1:00

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