キューバで野球観戦

サッカーより断然、野球だ。

サッカーが盛んな静岡で育ち、Jリーグができて、日本がワールドカップに出場するようになっても、スペイン語を始めてスペイン語圏に関連するものならなんでも興味を持つようになっても、やっぱりサッカーより野球の方がおもしろいよなーと思う。

そしてキューバといえば、野球だ。

実際に暮らしていると確かに野球好きな人は多いと思うし、TVのスポーツニュースでも野球ネタは欠かせない。現在日本のプロ野球でプレーするキューバ人も複数いるので、シーズン中は彼らが出場した試合での活躍については必ず放映される。

そんな野球が国技といえるキューバでも、やはりサッカー人気はジワジワと台頭してきて、競技人口も増え一昨年からは国内リーグが開始された。週末にはスペインなどヨーロッパ各国リーグの試合を、大騒ぎしながらTV観戦をする人も多い。うちの息子も、訳もわかっちゃいないだろうに「俺、バルサ」と言って、「ゴーーーール!!!」の瞬間だけ盛り上がって試合を楽しんでいる。街中で野球をして遊ぶ子供より、サッカーをする子供が目立ち、将来の夢はサッカー選手という子の方が多くなったかもしれない。

それでも、やっぱり野球だ。

キューバの国内リーグは、Serie Nacionalセリエナシオナルと呼ばれる。通常8月に開幕、10月末までの第1シーズンで州ごとに1チーム全16チームが競い、上位8チームが第2シーズンへ、さらに4チームが1月の最終シーズンで優勝を争う。野球好きの人はこの時期にキューバへいたら、是非、球場へ足を運んでほしい。ハバナであれば、ハバナのチームIndustriales インドゥストリアーレスの本拠地であり、キューバが誇るラティーノアメリカーノ球場で観戦できる。

収容人数55,000人というが、果たしてそんなに入る?ベンチ席も多いのでよっぽどギューギューに詰めたらいけるのか・・・最近は野球観戦者数も減って、この客席が埋まることはほとんどない。一応ナイター対応可能だけれど、電力不足につきライトの使用を避けるためにデーゲームのみ。試合中球場内でのアルコールは禁止なので、売り子が魔法瓶持ってコーヒーを売りに来るという健全さ。でもキューバ人はアルコール入らなくても、大声を張り上げ熱くなるのは野球に限らずどんなスポーツでも同じ。試合中の鳴り物も個々に持ち込んでいて、賑やかだ。野球のプレーだけじゃなくて、観客観察をするのが面白い。

球場外観。青いペイントは、インドゥストリアーレスの色。

球場横にある看板。「勝利はすべての努力の積み重ねの上にある。フィデル」フィデル・カストロのスポーツに関する名言は多い。革命後、すべての国民にスポーツを楽しむ権利があるとして、奨励しアスリートの育成システムを確立させ、多くのキューバ人選手が世界を舞台に活躍してきた。日本では一大イベントであるオリンピックも中南米、他地域でも多くの後進国ではそれほど盛り上がらないし、存在すら知らない人たちも多い。その点でキューバは本当にスポーツが盛んだし、オリンピックも大いに盛り上がる。大会期間中、パラリンピックも含めTVでは24時間様々な競技が放映され、自国の選手が出場しない競技でも下位選手しか出ないような予選でもランダムに見られる。

実は、キューバのナショナルチームはまだ東京オリンピックの出場権を獲得していない。3月末にアメリカ大陸選手権上位入賞がオリンピック出場をかけて、最後の戦いのチャンスだったのだが、コロナの影響で大会延期となってしまった。オリンピックそのものも1年延期ということで、これがキューバチームにとって吉と出るか?!

また今年の国内リーグ開幕時期は、まだ決定していない。自粛生活が続く中、選手たちが自宅でトレーニングに励む姿、球場のメンテナンスなどは度々ニュースになっている。8月にはコロナも落ち着いて、通常開幕となるといいけど・・・

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