キューバの夏休み 2019 Vol.1

年がら年中暑い常夏のキューバだけれど、この時期「夏」は特別。7、8月は国を挙げて夏を盛り上げる。子供向けはもちろん、大人たちも楽しめるイベントも多く催されるし、夏限定でビーチには飲食の屋台が出たり、安いホテルのパッケージツアーを国営旅行会社が販売したり、地区ごとにキャンプツアーが組まれたり。その年ごとに夏のキャッチフレーズも掲げられて、テレビCMではそれを連呼するコマーシャルソングが流れる。今年は、

¡Vívelo! (ビベロ!)

夏を生きろ!ぐらいの意味、どこかで聞いたことがあるような・・・

子供達の学校は6月中旬で授業は終わり、6月後半は試験のみ。7、8月の2ヶ月は丸々お休みという、親たちにとっては全くもって迷惑な話。この時期、親同士が顔を会わせると、

「どうよ夏休み、子供達は」

「昼飯作らにゃいけないし、たまにはどこかへ連れて行かないといけないし」

「まったくねー頭痛いわ!(Es un dolor de cabeza!)」

みたいな会話がされ、「頭が痛い」を連呼する。

こんなに長い夏休みなのに、大した宿題も出ない。我が家の息子もA4のコピー用紙に5枚ほど国語のプリントがあるだけ。けれど、それすらなかなかやろうとしない。2ヶ月ボーっと過ごした後の学校での勉強はさぞ辛かろうに、と思うし、こんなに勉強しなくて大丈夫なんだろうか、と心配なのだけど、親たちも「バケーションなんだから当たり前よ」とほったらかし。遅寝、遅起きも容認されて、朝から晩まで遊びたい放題。日本の夏休みの厳しさを思い出して、我が子はもう日本の学校へは適応できないと確信する。

そしてこんなに毎日遊んでいるのに、「退屈だー、どっか行こうよー」とのたまう。マイカーもない我が家ではビーチへバスで行くか、ハバナ旧市街あたりをぶらつくか、コッペリアへ行くかぐらいしか選択肢がないのだけれど、ありがたいことに週末は近所のおばちゃんが仕切って貸切バスでの遠足を企画してくれるので、ここ2週間はそれに参加した。

貸切バス。超年季の入ったボロボロバスだけど、みんなで一緒にお出かけは楽しい。

その第一弾は、ハバナ郊外空港の近くにあるエキスポキューバと植物園。子供達が遠足で行く王道で、これまでの学校の企画で何度も行っている。何度も行くほど素敵なところかというと全くそんなことはないのだけど、他にないから仕方がない。でも子供達は普段とちょっと違うシチュエーションで遊べればそれで楽しいから、まあいいか。

エキスポキューバはその名の通り、かつて万博が行われた会場をそのまま公園にしたもので、今でも定期的に各種展示会が催される。

写真ではよくわからないけれど、動力はトラクター。この知識豊富なガイドの説明が良かった。

植物園はだだっ広い公園内をトラクターが牽引する車両に乗り込み、ガイド付きで解説を聞いて園内を散策できる。中でもキューバに90種類以上あるという椰子の木のコレクションが売りで、これは世界に誇るものらしい。またキューバで唯一という日本庭園もあるのだが、ここ数年改修中で残念ながら見られなかった。

背の低いヤシの木
出っ腹のヤシの木
こうして見ると、本当に様々なヤシの木があるのがわかる。

最近は息子も多少は成長して、こういうこところで売られているどーしょーもないオモチャを買ってとせがむことも少なくなったのだけれど、今回ひとつだけおねだりされて許可したのが、入れ墨。もちろん本物ではなくて子供用にスプレーで色つけるだけのものだけど、最近の流行りなのか子供が行くとこ、イベントで必ずあるアクティビティーだ。パネルにある図柄から好きなの選んで、好きなところにシューシューと色を重ねる。「1週間はもつよ」という触れ込みだったが、翌日にはカスカスでなんの絵かわからなくなっていた・・・2CUC(約240円)なり。夏休みだから、まあいいか。

まずは好きな図柄を選んで
型を使ってスピレーで色付け
できあがり!

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