2023年、旅の行き先はキューバ!

先日トリップアドバイザーによって発表された「2023年注目の旅行先」で、キューバが見事1位にランクインした。

https://www.tripadvisor.com/TravelersChoice-Destinations

ランキングの2位はベトナムのホイアン、3位モーリシャスと続く。Photo by Cubadebate

コロナ禍を経て2022年から少しずつ再び人々が世界を旅するようになり、観光地には活気が戻ってきた。キューバも昨年4月の入国規制緩和後には、海外からの観光客が多く見られるようになって、パッと見はコロナ前と変わらない街の風景だが、パンデミックで世の中の動きが止まっている間に、キューバ国内では色々な変化があった。ありすぎるぐらいに・・・

ハバナ旧市街、ヘミングウェイゆかりのBodeguita del Medioボデギータ・デル・メシオ、改装で塗り直された壁が再び訪問者の残すサイン=落書きで埋められてきた

一番大きいのは通貨が統一されて、かつてのCUC(兌換ペソ)がなくなったこと、それに伴いあらゆる面で様々な影響が出ていることだろう。でもこれに関して観光で数日滞在する人たちに一部始終を説明するのは不可能で、正直ここで暮らす私たちもよくわからなくて、とりえずキューバの通貨は現在CUP(キューバペソ)だけど、ユーロやUSDも様々なところで使えて、つまりはやっぱり複数の通貨を使わなきゃならなくて非常にややこしい、ということを頭に入れておいてください、としか言えない。

一方、コロナ禍で観光客の皆さんにとってよい変化もあった。

旧市街にあるキューバの歴史上の人物たちが描かれた砂絵は、新しいホテルの壁の一部となって新たにお披露目

ひとつはネット環境が飛躍的に良くなったこと。各家庭にネット環境を設置するよりも、携帯電話のデータ通信を使ったほうが、より簡単で効率的かつ平等に(社会主義においてここが大事!)全国隅々までネット環境を整えることができる、というETECSA=国の戦略が功を奏して、もはやキューバでもインターネットは日常生活の一部となった。人々は何かわからないことがあればググって、テレビの代わりYoutubeを見て、WhatsAppやfacebookなしでは生活できなくなっている。少し前までキューバのネット環境を示す風物詩だった公園やホテルのWifiスポットにたむろう人々の姿は、ほとんど見かけることがなくなった。

ネット環境が良くなったことは観光客の皆さんにとってはありがたいことだし、他の国での旅のスタイルをキューバでも用いることが可能になったのは嬉しいことだ。行きたいところも、見たいものもネットで検索、情報ゲット、チケットも交通手段も全てオンラインでGO!と行きたいところだけれど、まだまだ不完全なところもあるので、アナログ世界に戻ってしまうこともよくある。そこはキューバだから、と現実を受け入れてのんびり根気強く対処しないといけない。

空港もちょっとだけ化粧直し。ショボさは相変わらず・・・

それからハバナに限ってみると、ホテルの新築や改装、公共施設の整備などが行われて美しく快適になった場所も多い。厳しい経済状況の中で観光が何よりの外貨獲得手段であり、国を支える大事な柱であることは明らかだけれど、キューバ人にしてみればまずはapagón(アパゴン=停電)なくして国民の腹を満たせよ、と大規模な観光への投資には批判もあるはず。それでもガンガン新しいホテルを建てまくって、外交でも観光キャンペーンを惜しまないのは、もうそれがこの国に残された唯一の生き残る道、とすがる思いがあるからだろう。

2023年、今年の海外からの観光客数350万人をいう目標を掲げてスタートした。キューバは、「行きたい観光地No.1」ともに「行ってよかった観光地No.1」にもなれるよう、しっかり準備して皆様をお待ちしております。

クラシックカードライバーのルイスも新車(?!)で日本のお客様を待っています

さあ、みんなでキューバへ!

キューバの2022年を振り返る

コロナで止まっていた時間が少しずつ動き出し、世界が前に向かって進み始めた今年。キューバは年頭にオミクロン株の流行で一時期コロナ感染者が増加したものの、キューバ産ワクチンの効果を信じて(?)厳しい規制は課すことなく、春先には感染状況も落ち着いて4月6日からは、入国時のワクチン接種済証明やPCR陰性証明の提示も撤廃、徐々に各国からのフライトも増便されて街に観光客が戻ってきた。国内でも学校や公共施設が再開し、徐々にマスクの着用義務もなくなって、さまざまな活動が正常化していった。

1年を振り返るとコロナに関しては押さえ込みに成功して収束へと向かった良い側面であったけれど、2022年はキューバにとって厳しい受難の年だったと言わざるを得ない。

2021年の通貨統合と経済改革後、急速にインフレが進んだ。アメリカの経済封鎖の影響+コロナによる世界的な物流停滞、戦争による燃料費の高騰、全てのマイナス効果がキューバにも直撃して、一層深刻な物不足、物価上昇が止まらない。今じゃ値段が正当にモノの価値を示しているはずもなく、なんだかよくわからぬままにとりあえず必要なものを買って生活している(というかもう本当に生き延びているというレベル?!)。

公式なデータではないけれど、2022年12月現在キューバのインフレ率は世界3位らしい

こうした情勢を受けて、キューバ人の海外への移住=脱出に拍車がかかった。本当に身近な人たちが次々に出ていってしまった。着々と準備はしていたのだろうけれど、行く直前まで知らされなかったり、なんの別れもなく突然海の向こうのどこかで微笑む写真がSNSにアップされて知ったり・・・久しぶりに送る知人へのメッセージは「¿Aún estás en Cuba? まだ、キューバにいる?」だ。これまでにもあったことだし少々状況は違うのだけれど、スポーツ選手の流出も顕著だった。前年の東京オリンピックで活躍した選手でも、海外遠征でそのままSe quedó(セ・ケド、その場に残るという意味で、海外へ行ってそのまま帰ってこなかった際に使われる)してしまった人が複数いる。中にはある競技のナショナルチーム丸ごと戻ってこなかったことも・・・国内ではあまり表に出ないちょっと悲しいニュースだが、キューバの現状を察することができる。

そして記憶に残る大きな事故、災害があった。

5月6日、数日後には再開が決まって準備中だったハバナ旧市街にあるホテルサラトガで、ガス爆発事故があり、従業員や通行人47名の犠牲者が出た。ちょうど旧市街のホテルからほど近いところにいたが、事故は知人から送られてきたWhatsAppの写真で知った。「映画か何かの映像?」と思ったその写真は、数分前にすぐ近くで起こった現実でゾッとした。

サラトガホテル事故直後の写真  photo by facebook
建物内部がむき出しになってしまった。周辺の建物も崩壊  photo by Ricardo López Hevia

8月5日、マタンサスの燃料タンクで落雷による火災が発生して、14名の消防士たちが犠牲になった。バラデロからの帰りにマタンサスの街から湾を挟んで対岸にみえる大きなタンクが記憶にあるが、そこで起きた事故。熱風はマタンサス市内まで届き、黒煙が怪しい雲となってハバナまで達した。燃料不足に加えて各地の発電所の相次ぐ故障によって、全国的な電力不足となり、計画停電が日常化した。若干状況は回復したものの今現在も地域によっては停電が続いている。

マタンサスの火災、多くの消防士が犠牲になった。photo by Granma
数日に渡って延焼し続け、4つのタンク全てが燃え尽きてしまった。photo by Granma

追い打ちをかけるように、9月下旬ハリケーンイアンがキューバの西端Pinar del Ríoピナール・デル・リオ州を縦断、壊滅的な被害をもたらした。この時、一瞬キューバ全土の発電量がゼロという危機的な状況に陥って、どうなることやらと心配された。ハバナでも2日から1週間程度、停電が続き日常生活に大きな影響があった。

なんだか振り返ると暗いニュースばかりだけれど、それでもキューバ人はしたたかにたくましく生きている。街に少しずつ観光客が戻って賑やかなハバナの旧市街を歩き、久しぶりに顔なじみのレストランの店員や流しのミュージシャン、クラシックカーのドライバーやカサパルティクラルのオーナーに会って話すことができたのは嬉しいことだった。

年末の旧市街は多くの観光客の姿が見られる

日本からの観光客はまだまだ少なく、数えるほどのお客様しか迎えることができなかったが、それでもゼロだった2021年から比べるとキューバへ来てくださった方がいたことが前進、感謝しかない。

あと2日ちょっとで今年が終わる。2023年、どうか、どーかいい年になりますように!

仰天、フィデル・カストロセンター

先日かねてから見学したいと思っていたCentro de Fidel Castro Luz フィデル・カストロセンターを訪れる機会があった。

コロナの影響もあって開館を先延ばしにしていたものが、昨年11月25日フィデルの没後5年の日に公開となった。公開といっても現在のところ誰もが気軽に訪問できる施設というわけではなく、一定の手続きとコネクションなしではまだ見学が難しい。

スペイン語でCuadraとかManzanaという区画1ブロック丸ごとの広大な敷地は、もともと19世紀の裕福層が有したものでメインの施設はその一角にある豪華なコロニアル建物を使っている。その建物はフィデルの生涯とその業績、キューバ革命についてあらゆる角度から展示する資料館と充実した書物を備えた素晴らしい環境の図書館からなっており、ほかにも敷地内にはギャラリー、子供達がゲームをしながらキューバ革命や歴史について学ぶことのできる施設、屋外ミニシアターまで備え、庭はキューバの植生を再現したミニ植物園といった様相だ。

建物外観、立派なコロニアル建物を利用しているがエレベーターも備えたバリアフリー施設
庭の池には、これでもかというほどの金魚が・・・

外からチラ見しても中のゴージャスさは想像できたが、実際に観覧するとすごいを通り越し、すべてが古びていてハイテクとは程遠いアナログ生活が染み付いたキューバの日常とはかけ離れた空間がそこに広がっていた。

「おおっーーー!」

「すごーい!!」

と声をあげながらの広い敷地と膨大な資料の見学には、ほぼ3時間を要した。そんな仰天のフィデル・カストロセンター、見応えは十分すぎるほどで語りきれないのだけれど、何はともあれ写真で少しだけご紹介。

玄関正面、鉄格子の門まで立派
コロニアルな内装そのままの部屋にはフィデルが生前受章したメダルや勲章がずらり
廊下を歩くとセンサーが反応して、フィデルとマルティの言葉が交互に壁に写しだされる
フィデルの生い立ちから一生をパネルで解説、ガイドがタッチパネルを操りながら説明を進めていく
等身大のフィデル
スポーツマンで野球好きは有名
複数の画面を使って、フィデルの生前行った演説をリアルに再現してくれる。壁のフィデル肖像に刻まれた文字は、それらの演説で繰り返し使われた言葉たち
各国で出版されたフィデル関連の本
世界地図を模したパネルにはめ込まれた筒は、フィデルが訪れた国と地域を表す。その筒をテーブル横の穴に差し込むとそれぞれの国でフィデルが行なった活動や思い出の写真が写しだされる。ガイドは気を利かせて日本の筒を見せてくれた
キューバ革命に関連する展示も充実、展示室の中心にはグランマ号の模型

フィデルは遺言で、死後も自らの像を作ったり、その名を施設や道の名前に使ったりといったことを決してしないよう残した。それは法律化され今後も守られていくだろうが、その法を一部改正してまでして作ったフィデル・カストロセンター。唯一無二、フィデルの全てがここにある。

ハリケーンイアン、キューバを襲う

先週、ハリケーンイアンがキューバを襲った。

キューバで起こりうる自然災害で、最も警戒されているのがハリケーンだ。過去数年に一度、もしくは年に複数回、ハリケーンが大きな被害をもたらしているが、そうした経験を生かして、キューバでは独特の防災システムを取り入れている。社会主義という特性を生かして、上層部から各組織への情報伝達や指示系統はシステマチックに徹底されていて、国民一人一人がその中に取り込まれ「命を守る」防災体制がとられているのだ。
ハリケーンの季節:キューバの防災

実際にキューバで生活するようになって、この防災システムがいったいどういったものかを実感することがこれまでにも何度かあった。2017年9月にキューバを襲ったイルマ。この時はキューバ東端から北岸を西へ向かってハバナも直撃、通過後何週間も日常生活に支障があるような大きな被害をもたらしたことは、未だ記憶に新しい。この時をはじめたとえそれがハリケーン級の嵐ではなくても、数日前から警戒体制が強められテレビなどでは気象関連の情報に多くの時間を割き、まだ何の天候の変化もない数日前から公共交通が運休されたり、学校が休校になったりするということがあった。とにかく「そこまでする?!」とも思える早め早めの避難や準備が徹底されているのには、いつも驚かされる。

さて、今回のイアン。

ハリケーンイアンの通過予報経路、ほぼこの通りの進路をとった。INSMETキューバ気象研究所HPより

ジャマイカ付近からキューバの南沖合を西に向かって接近中には、まだ熱帯低気圧だった。天気予報ではキューバの西端付近で、進路を北に変えPinar del Ríoピナール・デル・リオ州に上陸、通過して北岸に抜けフロリダへ向かう、とのことだった。キューバ西部のハバナを含む各州では9月26日(月)からは学校教育機関の休校や各公共機関が閉鎖となり、同日夜からはハバナでも公共交通機関が止まった。そして、キューバ上陸前にはハリケーンカテゴリー1となり、その後通過中にカテゴリー2、3と発達して、ほぼ予想通りの進路で9月27日(火)未明から同日午前中にかけて、ゆっくりとピナール・デル・リオ州を通り抜けていった。

日本に接近する台風と違って、この付近で発生するハリケーンは上陸しても勢力を弱めるどころか逆に強めて、速度も弱まり時に停滞して、長時間に渡って激しい雨風が続くから厄介だ。今回も明け方には抜けるだろうとの予報だったが、夜が明けてもまだピナール・デル・リオ北部に居続けて、昼前になってやっと去っていった。ピナール・デル・リオに住む人たちにとっては、本当に長く恐ろしい一夜だったことだろう。

ハバナではキューバ通過中よりも抜けてからのほうが、風雨が強まり翌日も1日嵐だった。我が家は築60年以上とはいえ比較的頑丈なコンクリートのアパートであることもあるが、イルマの時に比べて、感じる風雨はそれほどでもなかったように思う。それでも収まった後に外へ出ると、アパートのエントランスにある大きな木がなぎ倒れ、道路には大量の木っ端が散乱していた。ハバナ市内各所でも建物、街路樹等の被害がかなりあったとのことだ。

我が家アパートの前の倒れた大木、翌日には細かく切り分けて処分された

そしてハバナでも通過直後から停電が続いた。9月27日(火)夜には政府が発電所のシステム故障によりキューバ全土が電気のない状態、「発電ゼロ」に一時なったと発表。これにはさすがにゾッとした。それでなくてもここ数ヶ月の発電所の不具合や燃料不足による電力不足は深刻で、日常から計画停電の措置が取られている。それに加えてハリケーン被害による停電、「このまましばらく電気がないのでは・・・」と心配になった。

真っ暗なハバナの街。日系人会会長のFrancisさん撮影

でも、キューバの電電公社UNE(Unión Eléctrica de Cuba)は頑張った。

ハバナでは丸2日近くかかったものの、翌々日から徐々に復旧していった。我が家のあるアパートでも約48時間の停電ののちに電気がともると、「おおーっ!」とそこら中から声があがった。

テレビをつけると、イアンが直撃したピナール・デル・リオ州の惨状を映像で目の当たりにした。想像した以上に酷い。郊外の木造の家の多くは家ごと吹き飛び跡形もない。ピナール・デル・リオといえばキューバの名産品葉巻に使うタバコの葉の生産が有名だが、畑にあるタバコの葉を乾燥させる小屋も木っ端微塵といった状態だ。幸いタバコ栽培は9月下旬から始まったところでまだ種まき前だったり、苗床の状態だったりして大きな被害はなかったが、昨年収穫した葉を乾燥・発酵後に保存したものが浸水して台無しになってしまった農家もあったようだ。

吹っ飛んだタバコ乾燥小屋。Foto: Ronaldo Suárez rivas by Granma
屋根がすっかりなくなってしまった家。Foto: Adolfo Ricardo Fernández Bernal by Rasio Guamá

ピナールデルリオ州の被害状況を伝えるCubadebateの記事

世界遺産でもあり観光地として有名なViñalesビニャーレスも多大な被害を受けた。街のメインストリートには瓦礫や木っ端が散らかり、屋根が飛んでしまった家屋も見られる。訪れた人なら記憶にあるだろう、ビニャーレス渓谷を見渡せる展望台にあるHotel Jasuminホテルハスミンの屋根も見事になくなってしまっていた。せっかく観光客が戻ってきたところで辛すぎる光景だ。

渓谷を見渡せる絶好のポイントにあるホテルハスミンの無残な姿。
Foto: Lázaro Manuel Alonso by Facebook
観光名所インディオの洞窟へ向かう道も冠水した。Foto: Lázaro Manuel Alonso by Facebook

ハリケーン通過後の復旧はキューバの防災システムの一部であり政府や各機関はすばやい対応をとっているが、未だ被害の深刻だったピナールデルリオ州ではほとんど電気も復旧しておらず、Mayabequeマヤベケ州、Isla de la Juventud青年の島も含めて、被害状況もすべては把握できていないようだ。死者も数名でたとのことだが、正式な人数は発表されていない。

どんなに素晴らしい防災対策をとっていても自然の脅威には叶わない、と改めて思わせた今回のハリケーンイアンだったけれども、被害を最小限に止めるよう声を掛け合い情報交換して個人レベルで事前にできることをしたり、災害後に助け合って復旧に努めたりといった、キューバのいいところをチラッと垣間見ることもできた。

これから11月末までまだハリケーンシーズンは続く。「今年はもうどうかこれっきりにして下さい!」と祈らずにはいられない。

キューバもウィズコロナへ・・・イベント解禁

コロナ禍で様々なイベントが中止となったり、規模を縮小したり、手段を変えたりしてきたここ2年、キューバの大きなイベントも軒並み実施されることなくきたが、ついにそれらがほぼ正常開催されるようになった。

ハバナで最も人が集まるイベントといえば、毎年2月に開催される国際本の見本市Feria internacional del libro。メイン会場はカバーニャ要塞とその周辺で、タイトル通り本の販売や展示をするほか学用品の販売、飲食の屋台はたまた移動遊園地まであって、娯楽の少ないキューバでは滅多にないお出かけスポットが期間限定で出現するものだから、その盛況ぶりといったら半端ない。屋外が主とはいえ会場が「密」になるのは当然、コロナ禍でここ2年間の開催が見送られた。思えば2020年2月中国や日本でコロナの感染が報告されはじめ、アジア人への偏見が気になり始めた頃にあったのが、前回のフェリアだった。今年も通常通り2月開催を予定していたが、オミクロン株の登場で年始以降、感染者数が増加してしまったため4月に延期された。その後コロナはしっかりコントロールされており、4月13日から30日まで開催されるにいたった。

今年の招待国はメキシコ、メキシコからはいつも日本の漫画やアニメのポスターもやってきて大人気

なんだかんだで1度は足を運ばなければ、と平日午前中に行ってみたところ、それほどの混雑もなくゆっくり見学することができた。移動遊園地はなく、屋台の数も以前より少なめ、会場内のパビリオン数も制限されていたけれど、いつものフェリアの雰囲気は十分に味わうことができた。思えばこういうイベントに参加するのも本当に久しぶりだ。

カバーニャ要塞会場内の様子、平日でお客さんは少なめ

そして5月1日キューバで一番重要な祝日メーデーの行事も、3年ぶりに各地で行われた。久しぶりのメーデーで、いつもよりも事前のプロパガンダが派手だったように感じたのは気のせいじゃないはず。決して国民が待ち望んでいたわけじゃないけれど、政府としてはこの「密」な行事をウィズコロナの象徴としたかったのかもしれない。

今年のスローガンはCuba vive y trabaja(キューバは生き、そして働く)とシンプルなものPhoto by Irene Peérez/Cubadebate

ハバナのメイン会場は革命広場。夜中のうちから広場周辺に各労働者団体が集まって待機するため、前日夜から翌日の集会が終わるまで公共交通機関はストップするという毎年の「慣例」も復活した。会場には行かなかったが、映像や写真で見る限りコロナ前と同じように滞りなく式典が開催されたようだ。

手作り看板や横断幕がキューバらしい。Photo by Abel Padrón Padilla/Cubadebate

ところで街の噂ではこのメーデーの成功を機に、屋外でのマスク着用義務が解除されるのではないかということだったが、今のところそれはない。でもここ数日の新規感染者数を見てもほぼ二桁と増加傾向にはなく、現状陽性者数は日々減少していて「脱マスク」の日は近いんじゃないかと思う。

ということで、キューバのウィズコロナ、順調に進行中。

観光再開から半年、キューバ近況

キューバ国内のワクチン接種が進んだ昨年の11月15日、海外からの観光客受け入れを再開、その後オミクロン株の出現で再びコロナ感染状況が悪化したものの特に規制を強化することなく年末年始からのハイシーズンはロシアやヨーロッパからの観光客が一定数あり、徐々に各観光スポットも活気を戻していった。

パルケセントラル周辺のクラシックカーも復活

さらに先月4月6日からは、それまで必要だったワクチン接種済証明やPCR陰性証明の提示もいらなくなり、コロナ以前とほぼ同じようにキューバへ入国することが可能となった。各国からのフライトも増便され、一気に観光客が増えてきていることが旧市街を歩いていてもよくわかる。土産物店やレストランも再オープン、街をあるきながら久しぶりに客引きの声を聞き、店内から流れるライブの音楽を耳にするとなんとも嬉しい気持ちになる。コロナ禍の静かな旧市街も悪くはなかったが、やはり生活の音に混じって観光地ならではの音が聞こえてくることで「ハバナにいるんだなあー」と思う。

ミュージシャンたちもこの時を待っていた

ただ観光客が増えると、それを目当てに「商売」をする人たちも増える。

「ちぇんじまね〜、両替するよ」

「シガー、はまき(はっきりと日本語で)」

どう見ても外国人である私は、こうした人たちからの声かけを避ける訳にはいかない。急いでいるときは相手にしないが、たまに立ち止まって彼らの話を聞いてあげて、最後に「私もあんたらと同じ地元民、毎日鶏肉にうんざりしながら、店の行列に並んでるんだよ。」と落ちをつけるのだが、ここで嫌な顔せずにそのままおしゃべりに花を咲かせてしまうところがキューバ人。こんな時間はよりキューバが感じられて大好きだ。

モヒートで有名なボデギータデルメディオ、路上まで人が溢れる様子も戻ってきた
パリの紳士ももうさみしくない!

ところで最近の物不足と物価高は一層拍車がかかって、いまやCUP(キューバペソ)の価値がどうなんだかよくわからずに買い物している。そんな状況なので観光客の方々は公共施設の入場料などを除き極力CUPを使わない方がいい。大抵のところはUSDやユーロで支払い可能だし、キューバ人たちもそれを欲している。ただ現状国内銀行でUSDを扱っていないため、外貨のうちユーロのみを現金支払いOKとしているところもあるので、今後しばらくキューバ旅行の際にはユーロを持参するのがベストだろう。お釣りはCUPできていまうから、細かい紙幣も忘れずに!

クルーズ船も週一で入港

日本をはじめアジアからの観光客の姿はまだなく、コロナ前の状況に戻るにはもう少し時間がかかりそうだが、2年の止まった時を経てキューバの観光はやっと動きはじめた。

キューバPCR検査事情

コロナ前までは世界最強日本のパスポートを持っていれば、フライトチケットを手に空港へ行き、出国審査を通過して飛行機に乗れば、世界中ほとんどの国へいつでもお手軽に飛ぶことができた。今では各国の対コロナ出入国条件があれやこれやとあって、出発前の準備がただ事ではない。出たからには戻ってこなければならず、旅先でも帰国前に同じようなことを繰り返すことになる。その中でも多くの国で必須、これがなきゃ飛行機にすら乗せてくれない、というのがPCR検査などによる対コロナ陰性証明。ワクチン接種が進んで一時期はキューバもワクチン完了証明があれば、PCR検査陰性証明は不要となっていたのだけれど、オミクロン登場で世界中の感染者が激増したのを受けて再度入国時の提示が必須となった。

そのPCR検査=コロナ陰性証明、外国人旅行者はハバナのどこで、どうやって受けることができるのかご紹介。

キューバ在住者は居住地区のポリクリニコ(診療所)で受けることが可能。ただし証明書の発行できる機関は限られる。Photo: Ricardo López Hevia, by Granma

まずはホテル滞在者。医療充実国家キューバ、対コロナ対策としてホテルには専門医と看護師チームを常駐させ、観光客の保健衛生管理に従事している。帰国前の検査が必要な場合、この医療チームまたはフロントにその旨を伝えれば、検査日時を予約することができる。検査担当者がホテルまで出向いて検査してくれ、結果もホテルに届けてくれる。

検査のことを考えるとホテルの方が安心、楽チンと思われるけれど、やはりキューバではカサパルティクラルにも滞在して欲しいので、カサ滞在の場合について。カサパル滞在者は保健省の指示だとカサのオーナーが責任を持って宿泊客の検査に対応するとなっているが、結局のところは自分で検査可能なクリニックへ出向いていくことになる。ハバナで外国人観光客の検査をしてくる主な病院は以下の2か所。

ハバナ旧市街からはタクシーを利用して行く

Clínica Internacional Camilo Cienfuegos(カミーロシエンフエゴス国際クリニック)
住所:Calle L No.151 e/Línea y 13, Vedado, La Habana
時間:8:00-18:00(週末を含む)
費用:30USD(Visa, Masterのクレジットカード支払いのみ、現金不可)
ベダード地区の中心、ホテルハバナリブレ23 y LからL通りを下って、突き当たりにある公園に面した病院。便利でわかりやすいので多くの旅行者はここで検査を受ける。72時間前PCR検査に対応。午前中に受けた場合、翌日午後に結果を取りに行く。決まった書式に記入が必要な場合は、受け取り時にやってくれるが説明が必要。

Clínica Internacional Siboney(シボネイ国際クリニック)
住所:Calle 17, No.20005 e/200 y 202, Siboney, Playa, La Habana
時間:PCR/8:30-11:30(週末を含む) 抗原検査/8:30-16:00(月~金)8:30-12:00(週末)
費用:PCR/30USD 抗原検査/25USD(Visa, Masterのクレジットカード支払いのみ、現金不可)
72時間前PCR検査(翌日13:30結果受け取り)のほか、即日結果が出るAntigen test抗原検査も可能。アメリカなど入国条件として24時間以内の検査結果が必要な場合はここで。また20分ほどで結果が出るので、抗原検査でもOKの場合はこちらの方が翌日まで待つ必要はない。ただし観光客がまず行くことがない地区、Playa地区の外れにあり、タクシーでハバナ旧市街から30〜40分かかる。

いずれも外国人の場合パスポートの提示が必要。また支払いはキューバで決済可能なVisaか Masterのクレジットカードでなければならず、現金での支払いは不可。日本で発行されたものなら通常問題ないが、アメリカ発行のものまたアメリカの銀行決済となっているカードは使用できないのでご注意を。またこれらのクリニックは基本的に予約ができないので、朝早く行って順番待ちをしなければならず、「El último!エル・ウルティモ〜」と叫んで行列の最後について待つしかない。一般の診察目的、支払い目的など行列がいくつもある場合があるので、必ずPCR検査の列に並ぶこと。超キューバな体験=行列待ちという旅の想い出ができること間違いなし!?

ところで、キューバのPCR検査事情を最初に知ったのは実際に検査を受けたある外国人に遭遇したからだ。

「支払いはキューバで決済可能なVisaか Masterのクレジットカードでなければならず、現金での支払いは不可。」であるのが仇になってPCR検査を受けられず、予定していた飛行機に搭乗できなかった哀れなアルゼンチン人男性。帰国を2日後に控えPCR検査をしようと上記のベダードにあるクリニックへ出かけて申し込みをして決済しようとしたところ、カードが通らない。何度やってもダメ。だったら現金で払うよ、とドル札目の前に出しても「NO!」すぐにカード会社に電話しても原因不明。真っ青になった彼の知人を介して、外国人でクレジットカードを持っている私にヘルプの電話がかかってきたわけだが、一晩中クリニックに対応してもらえるようメールを打ち続けても返信なく・・・

結局時間オーバーでフライトに間に合わず、彼はブエノスアイレスへ帰国できなかった。ちょうど感染拡大に伴ってフライトの減便されていた時期で、次にチケットが取れて帰国したのはそれから2ヶ月後。かわいそうな彼は職を失い、借りていた部屋の家具やらエアコンやら全部売らなきゃならない羽目になったらしい。ちなみに2ヶ月後のPCR検査は、万が一を考慮して私もクリニックに一緒に行って待機していたのだが、無事カード会社が調整してくれたカードで決済でき翌日の飛行機も飛んで帰国した。 ハバナ滞在の2ヶ月間で彼は嫌がっていた大音響で流れてくるレゲトンの音楽にも慣れ、最初は小声しか出なかった「El último!エル・ウルティモ〜」も大声を張り上げて言えるようになり、行列に横入りする人に向かって反論するまでにキューバ人化していたのだった。

*以上は2022年1月現在の情報です。お国柄これらの状況は何の告知もなく変更されることがあり、昨日はやっていても今日はダメ、ということもあり得ます。最新の情報、また他地域の状況は現地にて必ず時間に余裕を持って確認してください。ホテル滞在者はホテルにて、カサ滞在者はカサのオーナーや管理者に尋ねましょう。

ハバナに日本のバスがやってきた!

ハバナで市民の主な移動手段は、キューバでGuaguaグアグアと呼ばれるバスだ。だがキューバのバス移動はいろんな意味でカオス。常に需要に供給が追いつかず本数も限られているのでバス停で長時間待ちは必須、故障で立ち往生することもしばしばあり、時間に余裕を持って出かけても遅刻することは日常茶飯事・・・でも他に移動手段がないから仕方がない。コロナ感染予防対策による規制があった間はバスの利用者も少なく比較的空いていたのだが、最近は夜間の外出規制もなくなり、日々の通勤通学も以前と同じように行われるようになって公共交通が正常化すると、ハバナ市内を走るバスの混雑も戻ってきた。ピーク時にはたくさんの人がバス停にあふれ、バスの人数制限も緩くなったので車内はかなりの「密」状態。ただ今も感染を避けて外出を控える人が多く、運転手もある程度は乗車制限をしているのか、コロナ前のように異常なまでのギューギュー詰め状態になることはない。またコロナ禍でバス待ちのルールも徹底されてどこでも行列をちゃんとしているし、多くのバス停にinspector運輸省所属の監視員が配置されるようになって、多少の混乱防止には役立っている。

これぐらいなら、かなり空いている状態。現在はもちろんマスク着用が義務

ところで現在、ハバナを走る大型バスのほとんどが中国Yutong(ユートン)宇通バス。公共交通だけでなく観光バスもほぼ100%このYutong製だ。以前はベンツや日本の日野自動車製のバスもいくらか見られたのだけど、ここ10年ぐらいで全部Yutongに変わってしまった。台数はかなり増え最近ではハイブリットや100%電気自動車も導入されて、車両のレベルもかなり上がったように思う。ただ常に満員定員オーバー気味で、アスファルトの舗装状態も最悪の道を走るといった具合で酷使され、さらには質の悪い燃料を利用しているため劣化が早いのは否めない。加えてキューバ人たちのお行儀の悪さのせいで、座席や吊り輪の破損、車内の落書きは当たり前で見た目にもすぐに見すぼらしくなってしまう。

そんなハバナのバスに今回、日本製のバスが加わることになった。

見た目は現行のハバナ市内バスと同じく青くペイントされ、ボディには大きな車両番号とラム酒ハバナクラブのロゴでお馴染みのハバナのシンボルGiraldillaヒラルディージャが白抜きで描かれている。が、よーく見ると入り口横の窓には日の丸が!これらは今回Isuzuいすゞ自動車製、伊藤忠商事により日本政府の無償資金協力として今回キューバにやってきた84台のバスなのだ。

パッと見は今までの市内バスと変わらないけど、Isuzuのロゴに日の丸、間違いなく日本製!photo by Gramna

すでに導入される路線は決まっていて、市内にある2箇所のバスターミナルに配置され試運転の後、実際に市内を走ることになる。しかも我が家のあるハバナ・デル・エステを走る路線らしいので、とても楽しみ。ただこれまでピカピカの車両が導入されてもあっという間にボロボロになってしまうバスをたくさん見てきたので、今回日本製のバスたちにも同じ運命が待っているのかと心配になってしまう。

photo by Gramna

どうかキューバの皆さん、日本のGuagua大事に乗ってあげてくださいねー!

キューバのコロナ近況:再び感染者増加2022.1

2022年1月10日23時59分現在のコロナ感染状況:新規感染者2,685名、現状陽性者11,136名、累計感染者982,614名、累計回復者963,091名、累計死亡者8,330名

キューバの年末年始は、いつもながらサラッと何事もなく過ぎた。例年なら12月になると大晦日、1年最後の晩餐を定番のキューバ料理、コングリ、豚肉、ユカ芋+ラム酒にビールで締めくくるために食材確保に奔走するのだけれど、今回は早々から諦めムードが漂った。どうせ豚肉は手に入らないと・・・もう何ヶ月も好物の豚肉にありつけず、肉といえば鶏しか食べていないキューバ人たち(元々、キューバでは牛肉はほとんど入手不可能)。2021年大晦日、いつもなら昼間からどこからともなく豚を焼いている匂いが立ち込めるのだけど、代わりに使い古した油で揚げたフライドチキン臭が蔓延していた。

そして迎えた2022年。オミクロン株が出現してコロナは再び世界中で猛威を奮い、キューバでもみるみるうちに感染者が増えて、ここ数日は連日2000人超え。周囲にも感染してたり、疑いありで隔離してたりする人がいて、またもや脅威が迫っている。加えて寒暖の差が激しいこの時期、風邪ひきも多く世の中病人だらけ・・・

それでも1年のうちで最も観光客の多い年末年始、ハバナの街でも例年にはとても及ばないものの外国人が目立ち、長いこと閉店していたレストランがオープンし、カラフルなクラシックカーもパルケセントラルの周辺で客待ちをする様子が見られた。感染者の増加によって1月5日以降、入国時にワクチン接種証明とPCR陰性証明の両者の提示が義務となったけれど、それ以外は観光や生活に影響を及ぼすような規制は課されていない。

現在のところ海外からの観光客受け入れは続行。photo by Granma

ひとつ気になるのは外国人観光客には空港や規制のある場所以外では、マスクが義務となっていないことだ。確かに旧市街などではマスクをせずに歩く外国人も多い。一方キューバ在住者は屋外でマスクしていなかったり、正しく付けていなかったりすると罰金だ。マスクの効用がどこまであるのかは別にして、海外から持ち込まれる例も多く、今回の再拡大の一因は国境再開であるはずなのに、外国人観光客はノーマスクOKというのに不満を抱くキューバの人たちも多い。

ところで、我が家では年明け早々にラッキーなことがあった。年始も仕事だった夫が、ハバナ市内の正月市へ寄った際にクジ引きで、なんと豚の丸焼きとビール1ケースを当ててきたのだ。

キューバ人の誰もが欲しくてたまらない豚肉!
しかも丸ごと!!
ビールは正規ブカネロ!!!

正月2日にして今年の運の全てを使い果たした夫のこの先が少々心配されるが、まあ幸先よろしいということで。2022年、良い1年となりますように・・・

キューバの国境再開から1ヶ月

先月11月15日に国境が再開し、海外からの観光客の受け入れが全国各地で解禁となって1ヶ月が過ぎた。

ワクチン接種率は計画通り全国民の9割以上に達しコロナの感染状況はすっかり落ち着いて、毎日の新規感染者は全国で60人前後まで下がっている。今のところは昨年のように国境再開した途端にみるみるうちに感染者数が増えて・・・ということもなく外部からの侵入による感染拡大の傾向は見られない。お騒がせのオミクロン株も先週ついに最初の感染例が確認されたものの基本的な方針は変わらず、一部地域や国からの入国に際して空港での水際対策が強化され、追加ワクチンの接種もハバナで始まった。

学校は教室授業が再開し、子供達の賑やかな声があちこちで聞かれるようになった。我が子も始まってしまえば、友達との学校生活の方が家に篭ってゲームとアニメ三昧の日々よりも楽しいことに気付いた様子(たぶん・・・)。今週からは、放課後の空手の練習も始まって朝から晩まで充実した毎日。そして親たちはやっと自由を手に入れることができた!と、喜んでいるのは私だけではないはず。

さてハバナの街でも観光客の姿がボチボチと見られるようになってきた。

ガイドについて散策するグループ。ロシアやカナダの観光客が多い。

これに合わせて全てではないもののホテルやレストランも再オープン、博物館などの観光施設も開館、開業し始めている。キューバ観光の目玉、クラシックカーもパルケセントラルの周りでお客さん待ちをするようになり、先日は団体客を乗せ数台が連なって走る姿を見かけた。赤い2階建バスも始動、わずかなお客さんを乗せてハバナ市内をぐるぐる回っている。

モヒートで有名なバー、ラ・ボデギータ・デル・メディオもオープン

旧市街では観光客狙いのピーナッツや甘いお菓子を売り歩く人、似顔絵描いて無理やり売りつける自称アーチスト、楽器片手に歌いながら近づいて一緒に踊って写真撮ってチップを要求するミュージシャン、身体中をペイントしてジーッと動かずに路上に佇むパフォーマー、それから列をなしてルンバのリズムに合わせて竹馬で練り歩くダンサーたちも久しぶりに登場!観光客や外国人にとっては楽しいけれどちょっと鬱陶しかったりする彼らも、1年8ヶ月ぶりの姿を目にするとなんだかとっても愛おしく、思わずチップも弾んでしまう。

久しぶり〜の竹馬音楽隊!キューバ人たちも足を止めて撮影。

まだまだ観光客の数は少ないし、観光に従事している人たちが潤うには程遠いけれども、はじめの一歩をやっと踏み出せたことは確か。今度は感染再拡大なんてことにならないで、「安全安心の観光」がキューバの未来を切り開いて行ってくれるよう祈るばかり。