ハーシー列車、ご存じですか?
ハーシーと聞いて思いつくものといえば、チョコレート。
Hershey Chocolate、そうです。アメリカのチョコレートです。
キューバにはハーシー社が砂糖を運ぶのに利用していた列車が通っています。

区間はハバナとマタンサスを結ぶ135km、47駅、3時間半かけて進みます。

Hershey

まずは簡単に歴史をご紹介。

1918年、ハバナとマタンサスの中間地点にハーシー駅を作り、そこで製糖した砂糖を近くの港まで運び、輸出していました。今でもハーシー駅付近には昔使っていた古びた大きい建物がならんでいます。1919年、最初の列車は蒸気機関車を利用していましたが1922年には電気機関車を利用するようになりました。

ハバナが始点といっても中心地から少し離れた所。海岸を挟んで向かい側にあるので中心地からは車、またはボートを利用してハバナの駅「カサブランカ」まで向かいます。当時 イギリスのUnited Railwaysがハバナ市の列車を管理しており、ハーシー列車が市内まで入ってくることを許可しなかったので、アメリカは少し離れた場所までしか線路を延ばすことができませんでした。

独立革命後、アメリカはキューバから撤退し、ハーシー社は名前を変えてカミロシエンフエゴス ディビジョンとしてその後40年間動き続けました。砂糖の需要がだんだんと少なくなり、2000年にはハーシーでの製糖は中止。今では現地の人々が移動手段として利用しています。

そんなハーシー列車は観光客ももちろん乗車可能。
列車マニアや好奇心旺盛な方には是非オススメ。現地の方の生活を体験することができます。

チケット

エアコンはありません。クッションがついていないベンチのような椅子ですが思った程おしりが痛くなることはありませんでした。
とにかく揺れて、暑くて、うるさくて、臭い。無秩序に車内で人が叫びあい、床で寝ている人もいます。さらに人間以外に、ヤギや鶏、犬も旅します。

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隣に座っていた酔っぱらい家族は、私にどうしてこんなに居心地の悪い列車にわざわざ乗るんだと、興味津々にひたすら話しかけてきました。

1日三本運行しています。ハバナからマタンサス行きが3本、マタンサスからハバナ行きが3本の計6本。
レールが1本しか無いのでハーシー駅で対向列車が来るまで待機します。
列車が遅れることは当たり前、待機時間は15分〜長ければ半日待つことも。
ハーシー列車に乗る方は余裕のある日にトライしましょう。

時刻表

列車に乗っている間、見える景色はほとんど変わりませんが、なんといっても車内の入れ替わりが激しくいろーーーんな人がいるので面白い。

時間に余裕のある方は是非試してみてくだい。
今まで旅してきた中でもかなり上位に入るくらい貴重な体験ができて大変満足です。

ハーシー列車の運転席

ハーシー列車の運転席