1914年に開通したパナマ運河には3つの閘門があります。

パナマに来られるお客様が一番訪れるのが太平洋側に位置するミラフローレス閘門。に、併設するミラフローレスビジターズセンターには、英語またはスペイン語で運河についての簡単な歴史や説明が見られるシアターや、博物館、閘門に船が通過するところを見ながら食事ができるレストランや、オープンデッキがあり、たくさんの観光客が訪れます。

トゥクメン空港から約30分ほどで行けるため、飛行機の乗り換え時間などを使って観光されるお客様が多いです。

 

しかし!!

今回ご紹介するのは大西洋側のガトゥン閘門です。

 

こちらははっきり言って、ミラフローレスのような立派な設備はありません。

小さなギフトショップがある程度ですが、船の通過がメインで見たい方で、お時間のある方にはこちらが絶対おすすめです。

 

 

なぜかというと…

まず、ミラフローレスと比べて観光客が圧倒的に少ない!!

ミラフローレスでは、船が通過する際にデッキにたくさん人が集まるため、特に観光シーズンになるとゆっくり船が見学できません。

ガトゥン閘門はパナマシティーや空港から遠いため、あまり人がいません。

両ビジターズセンターにはガイド(スペイン語・英語)がいますが、人が少ないためガトゥンでは個人的にバンバン質問できます。(良いサービスの時は是非チップをあげてくださいね!)

 

そして、閘門とビジターズセンターの

距離がかなり近い!!

⭐︎ミラフローレスビジターズセンター⭐︎

コンテナ船通過中

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運河クルーズから見たミラフローレスビジターズセンター

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⭐︎ガトゥンビジターズセンター⭐︎

自動車船通過中

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写真で比較しても明確ですよね。

この近さで見る大型船は大迫力です😆

 

入り口から入ってすぐのところには、閘門内で船を固定する電動機関車の旧型と新型が展示されています。こちらは乗って、記念撮影もできます。

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黒いほうが旧型でアメリカ製、シルバーが新型で日本製です。

パナマ運河を通過する大型船はすべて、この日本製電動機関車とロープで接続し、閘門の外壁とぶつからないよう調整されています。

 

そしてこのガトゥン閘門、実はパナマ運河の三つの閘門の中で最も、私たち日本人に縁があります。

日本人で唯一、運河建設に携わった青山士さんが設計に携わったのがこのガトゥン閘門なんです。

彼は、1904年より運河建設に従事し、最初の2年は末端の測量員としてジャングルで働きマラリアにも感染するなど、過酷な労働下で働いていました。その後、技術と勤勉さが評価され、技術者としてガトゥン閘門の外壁の設計などを担当し、最終的にはガトゥン工区の副技術師長にまで昇進しました。1906年には、当時のアメリカ大統領ルーズベルトに金メダルを贈与されています。しかし日露戦争後、アメリカの反日運動が高まり、スパイ疑惑までかけられてしまい 、日本に休暇で一時帰国しますが、結局そのままパナマに戻ることはなく、運河の完成を見ることもありませんでした。

日本帰国後も、パナマ運河工事で学んだ世界最先端技術を活かし多くの水路建設工事を指揮しています。

余談ですが、彼が担当したダムや水路は関東大震災の際にびくともしなかったそうです。その実績と共に、「私利私欲のためではなく広く後世の人類の為になるような仕事をしなければならない」という生涯貫いた思想には本当に脱帽です。

パナマに来るまでは、恥ずかしながら存在すら知りませんでしたが、日本の誇りですね。

以上、私がガトゥンをおすすめする理由でした。

 

また、このガトゥンビジターズセンターまで来られたら、せっかくなのでぜひ運河拡張工事センター(アグアクララビジターズセンター)にもお立ち寄りください。

今年4月からオペレーション開始予定の、新しい閘門です。

(当初の完成目標は2014年でした…)

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新運河と聞くと、新しく運河を作っているように思えますが、そうではありません。ざっくり説明すると、現存する運河(クブレラ・カットとガトゥン湖部分)の幅を広げ、太平洋側と大西洋側に新しい閘門を1つずつ新設します。

なので、運河が自体がもう一つできるわけではないので、船の交通量はそこまで増えません。

運河拡張により、これまでサイズオーバーで通れなかったパナマックス(現運河通行可能の最大サイズ)以上の大型船が通過できるようになり、運べる貨物量が大幅に増えます。

船の最大サイズ制限

(現)パナマックス 長さ294m 幅32m 喫水12m

(新)ネオパナマックス 長さ366m 幅49m 喫水15m

ご参考までに🎶

運河鉄道に乗ってコロンまで行き、専用車でガトゥンと運河拡張工事センターへ行かれるのがおすすめです。

弊社でツアー手配可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

それでは、Hasta pronto!