ハバナ旧市街からハバナ湾を挟んで対岸を望むと、湾の入り口に灯台を備えたモロ要塞、そこから連なるように左右に長いカバーニャ要塞を見ることができます。これらは旧市街側にあるプンタ要塞、フエルサ要塞とともに16世紀以降スペイン統治時代に、外敵からハバナの街を守るためにつくられたものです。このうちカバーニャ要塞は他の要塞より遅れ18世紀の後半、キューバが1762年イギリス軍の攻撃を受け1年間だけイギリスに占拠されたのち防御施設強化のために建設されました。

このカバーニャ要塞ではスペイン統治時代から続く「Cañonazo(カニョナッソ)大砲の儀式」が毎晩行われています。これは当時ハバナの街を囲んでいた城壁の木扉を閉める合図として毎晩8時に大砲が打ち鳴らされていたのを、セレモニーとして今に受け継いでいるものです。現在は夜9時に行われており、その様子を間近で見学することもできます。

旧市街からタクシーで約10分、カバーニャ要塞入り口へ到着します。毎晩多くの観光客が訪れることもありますが、せっかくなのでカバーニャ要塞内の見学も兼ねて少し早めに行くと良いでしょう。要塞内にはチェゲバラの執務室が資料館として公開されており、こちらの見学も可能です。

8時半。儀式を行う付近の明かりが消され、18世紀の軍服スタイルの傭兵が列をなして登場します。行進しながら大砲の設置された壇上に進み松明を点火、炎に灯されながら、奴隷スタイルの一人が儀式の歴史や背景について語ります。その後は隊長の掛け声に従って、傭兵たちが砲口に火薬を詰め大砲を撃つ準備をひとつひとつ行っていきます。鼓笛の轟が高まり、見学する人たちも緊張してジッと大砲を見つめる中・・・

 

 

ドーン!

 

 

 
 
 
 
 

9時ちょうどにお腹に響く大きな音。それは旧市街だけでなく、広くハバナ市内で聞くことができるほどです。これら一連の儀式を見た後は、もう一度対岸に広がるハバナ市街に目をやってください。ネオンのギラギラした都会の夜景とは違った柔らかい光に灯された美しいハバナの街にうっとりすることでしょう。

ハバナ滞在中の間に一度是非、大砲の儀式を見にお出かけください。オンリーワントラベルではご滞在先へ車で送り迎え付きのオプショナルツアーもご用意しております。