今回のキューバの旅で、宿泊施設には2つの選択肢があった。国営経営のホテルか、民間人が経営するカサ・パルティクラルというものだ。
 海外旅行では、常にローカルな場所に行ったり、その国のありのままの生活や文化に興味がある私は、迷うことなくカサに泊まることにした。オンリーワントラベルの担当者が事前にカサについて詳しく教えてくれた。
 カサ・パルティクラルとはスペイン語で民家を意味し、一定の基準を満たした民家が政府の許可を得て、カサの部屋を観光客に貸し出すシステムだ。全てのカサは国によってライセンスを与えられているので、安全で安心。
 カサの目印は、家の前や扉についている青い錨のようなマークで、ハバナの町を歩いていると至る所で目にする。旅行の申し込み後にカサのアンケートが送られてきたので、希望の宿泊地区、カサのタイプ、アレルギーの有無などを記入し、担当者が私の希望にあったカサ探しをしてくれた。全てのカサは、実際に日本人のスタッフが下見に行っていたり、過去に日本人が泊まったことがあるので安心して任せることができた。

*写真は本文中のカサとは異なります。

*写真は本文中のカサとは異なります。

*写真は本文中のカサとは異なります。

*写真は本文中のカサとは異なります。

 今回私が泊まっているハバナのカサは、 メインの観光地の一つである広場に近く、天井が高いコロニアル調のお家だ。家族と触れ合いタイプのカサを希望したので、大家が実際にカサに住んでいて身の回りのお世話をしてくれた。時々、夫婦の孫や友達がカサに遊びに来ることがあり、身振り手振りでコミュニケーションをとり、一緒にテレビを見たりコーヒーを飲んだり、気分はおばあちゃんの家に遊びに来た感じだ。カサに帰る度に誰かが声をかけてくれるので、何だかとっても温かい気持ちになる。ホームステイと言っても部屋は離れたところにあり、プライベートがきちんと確保されているので気を使う心配もない。

家族と触れ合いタイプのカサも希望できる。

家族と触れ合いタイプのカサも希望できる。

カサではキューバの家庭料理を提供してくれる。

カサではキューバの家庭料理を提供してくれる。

 Maria が料理を作る様子を見たり、居間の窓から道ゆく人々を観察していると、キューバ人の生活に溶け込んでいるような感覚がして、キューバを更に身近に感じることができた。
 部屋の設備も申し分ない。部屋にはプライベートのトイレとシャワーがついていて、冷蔵庫も備えつけてある。カサに戻ると毎回、完璧なほどにベッドメイキングされていて、きれいに部屋は清掃されていた。
 私のお気に入りの一つは居間だ。鮮やかなオレンジ色の壁で、所々にコロニアルなデザインが施され、年代物のロッキングチェアが置かれている。家族の写真が沢山飾ってあり、なんだか統一感のない扇子や置物も飾られているが、それが生活感を出していて愛着が沸いた。明日はこの家を出ると考えたら少し寂しくなったが、ハバナに戻ってきたら必ず挨拶に戻って来ようと心に決めた。

カサでキューバの人々と触れてみよう。

カサでキューバの人々と触れてみよう。